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Don't cry for me Amestris

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 食事が始まってから顔を出したラストという年齢不詳の美女には、どうして今日来た子にやらせるの、歓迎くらいしなさいよ気の利かない、とグリードが叱られていたが、とにかく新しい居場所の面々には気に入られたようで、エドワードは嬉しかった。それに、エドワードだって目的があってここまでやってきて、ただ良くしてもらえるとも思っていない。とはいえ、きついことも覚悟はしていたけれど、それでもまだ十五だ。見知らぬ土地、見知らぬ人々の中でやっていかなくてはいけない時だったから、この対応は嬉しかったのだ。
「…おいしい。私にももう少しいただける? エディ」
「え?」
 エドワード、と名乗った少女を、ラストはにっこりと、早速の愛称で呼んだ。それに、マーテルも笑って追従する。
「そうね、エディの料理は美味しい。ね、姐さん」
 驚いてマーテルを振り向けば、エドワードにはウィンクが返される。そんな女たちのやりとりに、グリードが遠慮なく笑った。
「なるほどな、よし、お前はエディだ」
「えっ」
「女なんだし、エドワードもねえだろ。なんで男の名前なんだかは知らんがな、ここじゃお前はエディだ。決定」
 よろしくな、エディ、俺にもおかわりくれ、あ、俺にも俺にも、と口々に声をかけられ、エドワードは素直に頬を染めた。その素直さを、既にまっとうに表を歩ける身でもない連中が眩しげに見やる中、エドワードがセントラルについて最初の夜は更けていった。

作品名:Don't cry for me Amestris 作家名:スサ