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遠く轟く雷鳴のように~この翼、もがれども~

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4.盗人


残酷なまでに見せつけられた太陽の煌めきにも似た光。
燦燦と降り注ぐ光の下にきっと当たり前のように佇むことができる人物に対して、ありったけの嫉妬と憎しみにも似た憧憬を抱く。
苦しくて胸を掻き毟ったとしても、一向に気は晴れることなどなかった。ただ、眩しすぎる光に身悶え、焼かれ、爛れ、崩れいく。
渇きは限界にまで達していた。飢えは我慢できる。だが、渇きを我慢するのは耐え難いものだった。この渇きの原因となったものを取り除かなければならなかった。そしてあの時、奪われた心を取り返す必要があった。

「取り返さなければ……」

虚ろに天井を見上げていたかと思えば、不意に呟いたのは法衣に身を包んだ教皇の姿をしたサガであった。
傍らにいた者たちが不審そうに「何を?」と返したが、サガの耳には届かなかったのか、それとも聞き流したのか――フラリとサガは立ち上がり、従者の問いかけに対して無視したまま、奥の私室へと向かっていった。
そのまま瞑想室へと引き篭もったサガに対して、従者たちは不満を口にする勇気もなく、山と積み重なったまま残された仕事をどう捌こうかと頭を痛めるばかりであった。教皇がそんなことになどまったく意に介すこともないだろうとただ幾つかの溜息だけが執務室に響いた。