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かなや@金谷
かなや@金谷
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世界が終わる夜に

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ギンザ


 


 千晶と別れた後、俺はシブヤの街で途方に暮れていた。やっとニンゲンに、友達に出会えたというのに、それは俺の想像とはまったく違っていた。
 無事であるということへの喜びよりも、後からくる失意のが大きかった。それは千晶が立ち去った後に大きくなっていった。


 誰もいない。


 ここに来た時は、必死すぎて余裕なんかなかったけど、改めて人がいない。あのシブヤの地下街だと言うのに人がいない。居るのはアクマだけだ。
 活気溢れた店先も何もなく、アクマが商売しているくらいだ。なのに、ウィンドーから見えるマネキンだけが、かつてのシブヤを物語っている。
 外に出ればあの人で溢れていた駅前の交差点にも誰もいない。どんな時間ですらもこんなに閑散したことなどなかったのに……
 交差点に見知らぬアクマが立っていた。
先に来たときは居なかったはずだ。人型の彼に話しかければ、ニンゲンがターミナルに居ると教えてくれた。
 ニンゲン……
 誰だろう。勇だろうか、今度こそ、今度こそ、と気持ちを奮い立たせて俺はターミナルへと向かったんだ。
 ドキドキしながらターミナルの扉を開ければ、そこにいたのはヒジリさんだった。すっかり忘れていた。脱出した後、シブヤのニンゲンのことばかり考えて、病院を脱出出来たことすら伝えてなかった。
 相変わらずヒジリさんは一方的に話している。なんでも、この筒、ターミナルは道のようなもので色々なところへと続いているらしい。ようするに、ルーラが出来るマシンなんだな。理解した。
 でも、ヒジリさんは自力で弄ってここに辿りついたらしい。これはマシンの技能なのか、オカルトの技能なのか知りたいけど聞いても理解出来ないだろうな……
 で、ギンザに氷川がいるらしい。ニヒロ機構とかいう組織が氷川が作った組織で、そこにはニンゲンの巫女がいる。
 巫女は先生だ。
 この事態を起こした現況の氷川に会ってみたい。あと、先生のことも気になる。そして、先生がそこにいるのならば、勇が生きているならばそこを目指すだろう。
 ギンザへはこのターミナルで行けるらしい。ヒジリさんがサポートすると言っているからお願いすることにした。分からないところに行くなら準備しておけばと言われたので、雪だるまの店で買い物をして、オヤジに相談かしながら仲間を合体させた。あとは泉の姉さんに回復してもらった。つうか、あれ全裸だよな……
 万全を期して飛びこんだ。

 結果。失敗。うん。ヒジリさーんって感じになったけど、まあなんとか手伝って貰いながらギンザに着いたんだ。でも、アマラ経絡っていうところ彷徨ったんだけど、ここのアクマは話聞いてくんなかったなー
やたらと強くて辛かった。なんか変な人魂みたいな奴に絡まれたし……

 ギンザに着いた。なんか地下街の大きな噴水の前に着いたんだけど、その前にアクマが居るんだよ。なんか微妙、シュール。話を聞いていると、ここにも店とバーがあると言っていた。なんだよ、バーって!!
 やっぱり、酒場は情報集めの基本っていうのは、アクマの世界でもそうなわけ?
 とにかくそこを目指したわけですよ。
 その前に、店、店!!
 雪だるまはいねーかーと店に入ったら、上から人?小鬼のような男が降りてきた。なんか派手な結婚式のリフトを思い出す。ここは宝石と何かを交換してくれる店だと教えてくれた。そういえば、よく宝石も貰ったなぁ……
 ここには普通の店はないみたいだ。残念。雪だるまに会いたかったのに……
 その念が通じたのか、雪だるまが現れたんだ。ジャックフロストだと彼は名乗ってくれた。で、お話の結果仲間になってくれたのだ。可愛い、可愛い。
 ひほひほ言ってるのが可愛くて、もうやたらと話していたね。懐かしいなぁ……
 あいつが残してくれた「静天の会心」はずっと仲間が引き継いでくれている。あれが決まる度にあの短い白い手足を振り回して闘っていた雪だるまを思い出す。
 楽しくて、明るくて、ひほひほと脳天気なところが沈んでいた心を慰めてくれたなぁ……
 今でもフロストを見ると話掛けたりしてしまうんだ。どうも倒したくない。
 ギンザのバーに行ったんだ。セクシーなニョクスママがいるバーで、客はアクマと思念体だ。話を聞きに来た俺にママは優しく色々と教えてくれた。
 これはサービスよと飲ましてくれたドリンクはとても美味しかった。
 そこで初めてあの病院から飲まず食わずだったことに気がついた。生きるのに必死で忘れていたんだ。あれ、なんかおかしくないか、生きるのに必要なもののはずなのに……、睡眠すら取ってない。
今更ながらだが、姉さんに聞いてみたらやっぱり呆れた顔で教えてくれた。
 アクマは天に輝くカグツチだけで生きていけるそうだ。光合成みたいなもんか、あとはマガツヒ。こうしてニンゲンの食べ物を取るのはいわば嗜好品らしい。酒や菓子なんかはアクマにも人気があるそうだ。
 認めたくはないけど、アクマの体になっているんだなって思った。
 飲んだくれているアクマのロキさんと話してから、とりあえずギンザの外へニヒロ機構へ行くことにした。
 結論。門前払い。
 だよなーとは思うけど、確かママが困ったことがあったらとか言っていたから、ママのところで話聞いていこう。
 今度はちゃんとお金払って何か出して貰おう。
 ママに姉さんと二人分の飲み物を出して貰うと、ニヒロに入れないことを相談した。
 彼女は、ニヒロに敵対しているマントラ軍の力を借りてみたらと教えてくれた。それはイケブクロにあるそうで、ここからはハルミ倉庫からギンザ大地下道を通って行けるそうだ。
 ようするに地下鉄跡ってことかな
 とにかく、準備してから行ってみればと言われてわりと気楽に行ったんだ。
 覚悟して行ったアマラ経絡だって回復無料でしてくれりたしさー
 それは間違いでした。甘くはないのです。スダマさん達に全滅しかけて慌ててギンザに戻ってきました。根本的にやばいということで、暫くレベル上げ+仲間強化です。姉さんから、同じ弱点の子二人も前線に出したのよとダメだしをくらい、打倒スダマを誓いながら再びギンザ大地下道を目指したんだ。


 地下道を歩いていると水道みたいなでっかい空間に出たんだ。そこで変なモノと出会った。ニンゲンの形をしている何かがこちらを見て騒いでいる。
 アクマだ、アクマが来たとか言っているから、アクマではないらしい。でも、なんかニンゲンとも違う気がする。
 とにかく話せそうだし、話して見たくて後を追ってみたんだ。追いながら、姉さんに聞いてみたけど姉さんも知らないって言っていた。何度か見かけて漸く追い付くと、そこは街みたいだった。わらわらと奥からニンゲンみたいなのが出てくる。
 長老っぽいおじいさんが現れて誤解を解いてくれた。俺がマントラのアクマ無いと分かるとみんな散らばっていく。うーん。
 長老達から話を聞くと、彼はマネカタというモノらしい。造られた存在だと言っていた。マントラのアクマに奴隷のように扱われていて逃げてきたという。ここで隠れて暮らしているというのだ。
作品名:世界が終わる夜に 作家名:かなや@金谷