世界が終わる夜に
でも、洗濯物なのか乾してあるのとかを見ると生活感があって楽しい。ほっとしてしまうのだ。別に彼等の暮らしを邪魔したいわけでもないからね。
ここにも店があって品揃えが良かった。マネカタが商売をしてる。オカマ口調なのが気になるけど色々と買い物をした。
あの美味しくて中々手に入らなかったチャクラドロップが買える!!
これは大きいよ。うん、大きい。チャクラドロップ美味しい。マガタマも売っていた。
しかも、千マッカごとにチケットをくれるという。十枚集めるとなんか貰えるそうだ。そう言われると千円くらいづつ何度も買い物してしまう。店をでたり入ったりを繰り返す俺を姉さんは呆れた顔で見つめていた。
だって、そういうのって嬉しいサービスじゃないか……
とにかく買い込みました。だって、ターミナルはあっても回復ないんだもん。って思ったらターミナルが転送とか言うのを覚えて今まで言ったところに行けるようになっていた。おお、回復に戻れる。
そんなんで暫くはこのマネカタの街でうろうろと観光していたんだ。
変わったマネカタに出会った。
彼はガラクタ集めと言ってこの世界に残る人間の使っていたモノに興味があるそうだ。もうここでは使われないガラクタを集めている。彼の店先に並ぶ様々なものは、俺には懐かしいものだった。入口前に立っている理容室のくるくる回る看板を見たときには笑ってしまった。
もちろん姉さんにも、仲間にも意味がわからないという顔をされた。
目深にフードを被ったマネカタは、使い道も分からずに人間の残したモノを集めているそうだ。話を聞くと楽しい奴で、何かを見つけたら教えてね。と言っている。そこにある色々としたモノの正体を教えてあげれば、フードに隠れた目をキラキラと輝かして、興味深げに話を聞いてくれた。
イケブクロに行きたいのだけど、行くには門番マネカタが通してくれない。さて困ったとガラクタ集めに話したら、あるモノを探してくれたら話を付けてくれるという。
お札っていうのが欲しいんだ。人間ってそれが命より大事なんでしょ
まあ、そういう人もいるね。大事だよね。うんうん。昔は自分も持っていたのですが、と思うのだけど今は小銭すら持ってない。無くなった上着の方に携帯も財布も入ってたんだよなー
そういえば、ギンザで飲んだくれているアクマがお宝持ってるって言ってたなぁ、行ってみっか。あそこなら店が残ってるから一枚くらいあるかもしれない。
ロキさんに聞いてみたらあるかも知れないし、ないかもしれない、部屋ごと買い取るかと法外な金額をふっかけられた。無理ですから、そんなの……
頭に来て盗みにいくことにしました。だいたい、拾ったモノ集めてるんだからいいじゃないか、うん。俺の財布かもしれないしさ。
門番が居ないのでしめしめと進入しお宝ごっさり貰ってきました。そしたら、門番と鉢合わせて戦闘、撃退した。
これをガラクタ集めに渡すと、門番マネカタに話を付けてくれた。
よし、これでイケブクロへ行ける。
でも、そんな簡単な話ではなかった。
急に、喪服の女と車椅子の老人に貰ったメノラー、燭台のことらしいけどが揺れたんだ。火が灯ったようにゆらゆらって視界が赤く霞むんだ。
なに、なんなのって思ったら声がして、怖い気配がして、そういえばマネカタ達が死神がいるとか言っていた。
気がついたら変な場所にいた。骸骨のマタドールが現れて戦いを挑まれた。ちょっ、ちょっ。魔人とかいうらしい。
怖かった。凄い強かった。なんか次元が違う。いつも、殴ってばかりだったり、魔法で弱点ついたりだけど、弱点がないってのが辛い。初めて使ってみた補助魔法はいい感じだった。そうか、ああやって自分達や敵に補助魔法をつかえば、弱点なくてもいいし、防御とか出来るんだな。
魔人を倒すと喪服の女の声が聞こえた。怖い魔人達にメノラーが盗まれたから取り返してくれという。メノラー同士が引き合うから、それで探して欲しいと……
断ったところで、こうして二本も手元にあるなら引き合うじゃねーか、巻き込んでるだけだろうと思うけど、潤滑にするためにはいと承諾しておいた。
お礼してくれるって言うからいいか、それ大事。それすらないこと多すぎるからね。
魔人退けても敵が強くて怖い。つうか遠いよ、遠いよイケブクロ歩いても歩いても辿り着けないよ。
ぼろぼろになりながらついた先はゾウシガヤっていう墓地だった。やっと外に出れたよと、見上げた空にはサンシャインがそびえている。あれがマントラの本部らしい。
とにかく回復出来るところを求めて街の方に向かったんだ。
今思い返しても、あの時はすっからかんだった。もう、本当にきつかったなぁ……