SSやオフ再録
日常:バカップル(サリ・シキ)
デュナン城は今日ものどかである。
戦争からはまださほど年数を重ねていないにも関わらず、国を担う者達がしっかりしているという事と、誰もに敬愛されている国王のおかげですくすくと国は育っている。
そして平和、である。
「っもうっ。マクドールさんのバカっ。Hっ。」
「朝からそんな色気出して寝てるシキが悪いんだよ。」
「っ寝てる人間がそんなもん意識して出してる訳ないでしょうがっ。」
「でも出てるんだからしょうがないじゃない。俺を誘ってるとしか思えないんだから、そりゃ手、出すでしょ?」
「っもーっあー言えばこういう。今日は朝から会議だってのにー。俺シャワー浴びてきますっ。」
ぐっすりと眠っているところを襲われた様子だった。
途中までは夢うつつのまま受け入れていたシキも、さすがに最後までされるとはっきり目が覚めた。
だがそんな段階で相手も自分も止められる訳もなく。
「あ、じゃあ俺も浴びる。」
「ちょ、マクドールさんは後にして下さい、もしくは俺が後に・・・」
「えーなんで。いーじゃない、一緒で。」
「だって絶対普通にシャワー浴びて終わるとは思えないっ。」
「よくお分かりで。さすが国王ー。」
「国王関係ないですよね!?それ。」
「まあ、いいじゃない。ほら、はやくしないと遅れちゃうよ?」
「っ誰のせいだと思ってるんですかー!?」
平和だった・・・。
何とか滑り込みで会議にシキは間に合った。
椅子に正座しだすシキに周りが怪訝な顔をする。
シャキッとした気分で聞きたいから、と苦しい言い訳をするが、周りは納得した。
シュウ以外は。
シュウの呆れたような顔に気付きそっと俯きシキは赤面した。
「もうっ。ほんとにもうっ。マクドールさんのバカッ。」
会議の後休憩のお茶を部屋で飲みながらシキが怒る。
怒りの矛先のサリはどこ吹く風でシレッとお茶を飲んだ。
「聞いてんですかっ。もうっ。」
怒っているシキを、サリは愛でているとしか思えない。
「そんな顔も可愛いねえ。」
ニッコリと言われ、怒りつつも赤くなるシキ。
「も、もう・・・。マクドールさんはいっつもそうやって茶化すんだから・・・。俺、もう知りませんよっ。」
怒ってるからか、ただ単なる照れ隠しか、シキはくるっとサリに背をむけた。
「あーもー、ほんと可愛いよな、お前っ。」
サリは後ろからシキに抱きついた。
ちょっと、とシキが振り向くと、そのままキスをする。
「っんっ・・・」
「・・・お茶、もういらないよね?ちょっとお昼ごはんの為の運動しようか・・・?」
「ちょっと・・・何言ってんですか・・・?まさか俺の限界でも試す気ですか・・・?」
「やだなあ、何言ってんのー。そんな事言ってじらして、シキこそ俺の限界試す気?」
「茶化さないで下さい・・・。ほんとどれだけすれば気が済むんですか・・・?」
「そんなもの、どれだけしても気なんて済む訳ないだろ?」
サリはにやりとしてシキを抱えた。
青くなってちょっと、離して・・・というシキの抗議は無視される。
「じゃあ、ベッドでは茶化さないから、ね?」
結局お昼になってもシキは部屋から出てこなかった。
「やあ、サリくん。シキくんはどうしたの?」
キリルがばったりサリに会った。サリはサンドイッチをテイクアウトしていた。
「ん?ああ、ちょっと腰砕け?」
「?重いものでも持った?年寄りみたいだね。」
「・・・いや、絶対この場合サリくんのせいだと思うぞ?」
横でカイサが無表情のままボソッと言った。