SSやオフ再録
日常:しんぱい(レイ・イチ)
いつもへらへらとしているようなレイ。
そのレイの表情が消える事があるなんて。
イチはぼんやりと思った。
「イチ・・・。」
気づけばベッドに寝ていた。
「・・・あれ・・・?俺?」
イチは起き上がって首をかしげた。
「あ、イッちゃん。もう、なんともない?」
「レイ。え?あ、ああ、うん。別に・・・。・・・俺、また倒れた?」
イチは基本的に健康優良児であるが、紋章の影響か、最近たまに倒れてしまうようになった。
そしてそのたびに懐かしいジョウイの夢を見る。
そして目が覚めると、いつもレイがいた。
最初の頃はびっくりしつつもいつものレイだったが、最近目が覚めてレイを見ると、見たこともないような表情でいることがあった。
そしてイチは、そんなレイの無表情な表情を見たくなかった。
「うん。でも良かった、なんともなくて。」
ニッコリとレイが言った。
だがまだいつものレイに戻っていない気がする。
「レイ・・・?その・・・大丈夫、か?」
イチはおずおずと聞いてみた。
「イチ・・・。・・・もう、やあねーイッちゃんたらあ。大丈夫かどうか、聞きたいのはレイの方なんだからね。まったくもう、可愛いんだからん。」
少し驚いたような、怪訝な表情になったかと思うと、次の瞬間にはいつものレイに戻っており、そのままイチに抱きついた。
「そ、そうだよな。っつか可愛いとか言うな、抱きつくなっ。離せバカ。」
「えー、相変わらずつれないんだからん。」
「うるせ。」
レイを引き離すと、イチはベッドから出た。
レイはきっと何も言って欲しくないんだと思い、このことについてはもう聞かないことにした。