SSやオフ再録
行事:ハロウィン(リオ・ナユ)
「やぁ、おはようテッド、っリック・オア・トリート」
「おお、リオか、飴ならあるぞ。」
テッドは得意げに袋から飴を出してリオに渡した。
昔にトリートを選ばず、というかお菓子がなかったためにひどい目にあわされた記憶は薄れねぇとか思いつつ、今回は大量に飴を用意している。
「・・・ち・・・」
「て、おい、なんか舌打ち聞こえたけど?」
「え、気のせいだよトリック・オア・トリート」
「ちょ、まぁいい・・・ほれ。」
テッドは何か言いかけつつもため息をつき、またリオに飴を渡す。
リオは黒猫の格好をしていた。
そんな可愛い格好だというのに、今飴を渡したテッドも、それを横で見ていたルックも悪魔の格好にしか見えないのはなぜだろうと考えていた。
「あー、おはようございます、みなさん。」
そこに、リオと対照的に白猫の格好をしたナユがあらわれた。
リオには悪いが、天使にしか見えん、と思わずそっと思ってしまうテッド。
「テッド?今邪な目でアレを見た?っリック・オア・トリート」
ニッコリとリオが言う。
「って、ちょ、え、いや・・・」
何を言ってるのか分からないまま、テッドはまたリオに飴を渡す。
「なんですか、テッドさん、変態の仲間入りですかトリック・オア・トリート」
「・・・おい。」
眉をひそめつつ、とりあえず律儀にもナユにも飴を渡す。
ルックはもはやそこにはいなかった。
「ルックめ・・・」
テッドはうらめしそうな顔をした。
「あはは、大丈夫、ルックにはあとで素晴らしいトリックを用意するからトリック・オア・トリート」
リオはそれはそれは素敵な笑顔でそう言った。
「そうですよ、テレポートで逃げるなんて卑怯ですからねトリック・オア・トリート」
「ちょ、待て、お前ら。その語尾につけるのは何なんだ!?どういうつもりだよ!!」
またもや律儀に飴を出しつつテッドが突っ込んだ。
「え?そりゃバカみたいに用意してるその飴がなくなるまでだけど?トリック・オア・トリート」
「そういう事です、そんな小さな飴一個で事足りたと思うとは心外ですねテッドさんトリック・オア・トリート」
「ちょ、そりゃ昔ちゃんと綺麗にラッピングまでして用意したお菓子をだな、こいつはいっきに食べた後でまたその呪文をいいやがったんだぜ?そりゃこっちだって考えもするだろ!?てゆうかちょ、マジかよ!?」
その後テッドは、そこを通りかかったカイリに助けを求めるも、面白がられてリオ達と一緒になって呪文攻撃を受けたらしい。
もっともその後、その場をそうそうに逃げたルックも、テッドともどもいだずらの餌食にされたらしいが。