SSやオフ再録
行事:花見(リオ・ナユ)
「やっぱりこういう時だからこそ、の宴会だよな。」
テッドがわはは、と笑いながら言った。
「そうだね、戦争中だからって言って自粛し続ける必要はないと俺も思うよ。」
横でカイリもにっこりと言った。
現在ナユの城では桜の花見中。
皆が楽しげに昼間っから酒を飲み騒いでいるところであった。
「僕は別に興味ないよ。」
ルックはしれっと言うが、その手にはコップ。
「お前なー・・・。まあなんやかんや言っても付き合いのいい奴だよな?」
テッドが呆れつつもニヤリとして言った。
ルックはジロリと睨んだあと、ふん、と鼻をならしてから酒を飲む。
「本当に綺麗に咲いてますよね、催し、やって良かったです。」
なかば強引にシュウに許可をもらったナユがニッコリとして言った。もちろん酒は、なし。
「まあ貴様程度の頭だとこういう単純な催しは嬉しいだろうね?」
リオはニッコリといっそ優しげな笑顔で言い放つ。
「相変わらずろくでもない方ですね。いっそ消えますか?」
ナユもニッコリと返す。
「ふふ。桜の木の下には死体が似つかわしいみたいだよ?貴様が養分になるか?」
「いえいえ、あんたにこそ似つかわしいですよ。」
そうして2人はにっこりと立ち上がる。
「おいおい、もうやめろよな。ほらほら、ナユも、これ飲んでさあ。」
シーナが取り持つように言った。
「ちょ、それ。まさか酒じゃないよね?」
ルックが慌てたように言う。
「ああ、違うぜ?だってナユ、酒苦手なんだろ?だからそこにあった・・・て、あれ?」
「あれ?てなんだよ、あれ?て!?」
テッドが聞いた。
「え、あ、ああ、いや、ジュース、だと思ったんだよ。」
シーナが瓶を持ち上げた。
それは確かに一見ジュースのようにも見えるし味わえる、女性に人気な、だが良く見ればカナカン産の果実酒であった。
「ごめん。でもナユ、普通に飲んだじゃん。苦手って、別に・・・」
「あーシーナ君は知らないからねぇ。」
カイトがニッコリとだが威圧感のある笑みを見せた。
「・・・シーナ、城の裏に逝こうか?」
リオがニッコリと言い放つ。毎度のことながら字が違うじゃねぇか、とシーナは青くなった。
「でも、まあ、それは後回しだね?」
すっとありえない体勢で、いきなり飛んできたナユの拳を避け、リオが言った。
「なっ!?えっと、ナユ!?」
ものすごい勢いでリオに攻撃しだしたナユを見て、シーナがびっくりしている。
「リオが近くで良かった。あいつならなんとかするだろう。まあ後の事も。」
テッドがひとまず安心、とばかりにまた、酒を飲みだした。
カイリやルックも、そうだね、とばかりに同じく飲みだす。
「え?あ?いいのか?あれ、ほっといていいのか?」
シーナが3人に聞くと、大丈夫、むしろリオは楽しんでる、との事。
確かにリオはなんだか楽しそうだが・・・。シーナも、とりあえず絶対ナユに酒を与えるのはやめよう、とひそかに決意したようであった。
一方リオはさも楽しそうにナユの攻撃を受け、そしてしかえす。
だんだんと城の中に移動していっているのは、まあ気のせいじゃないだろうな、と3人はひそかに思った。
そして、明日朝の安眠の為に、今夜は耳栓をして寝よう、とも。
果たして翌朝はまた、軍主の叫び声が鳴り響くこととなる。