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涼の風吹く放課後 お試し版

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「う、うん…。おそらく…。男らしくなるのに、どうしてアイドルソングなのか、俺にはちょっとよくわからなくて…。」
「え? 難しいことかなぁ…。」
 涼は首をひねっている。率直に俺の疑問を聞いてみよう。
「ちょっとごめん。整理させて。涼は、こうやってアイドルソングの練習をして、何かの役に立てようとしてるの?」
「ああ、そんなことか。実は僕、アイドルを目指してるんだ。」
「アイドル? その、フリフリの衣裳で歌ったり、水着グラビアになったりする、あれ?」
「そう、あれ。」
「…涼、ごめん、もう一度だけ失礼を承知で聞かせて。涼は、男の子なんだろ?」
「え? 何を言ってるの? イヤだなぁ、昨日も一緒に着替えたじゃない。どこからどう見ても男の子でしょ?」
「その男の子の涼が、女性アイドルを目指すってこと?」
「はぁ?! 何考えてるんだよ。男性アイドルに決まってるじゃないか。」
 涼は、本当に、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
「あ、いや、その、ごめん。」
 うぅっ、怒らせてしまったかな…。でも、練習しているのは女性アイドルの曲だし…。なんだか納得いかない…。
「まぁ、そういう勘違いをされてもしょうがないか…。僕も、出来ればちゃんとした男性アイドルの楽曲で練習したいんだけど、練習に便利な資料を揃えるには、やっぱり律子ねえちゃんを頼るのが一番なんだ。」
「ま、まぁ、そうか…。」
 そりゃ、市販のCDのオケと、雑誌に乗ってるような振り付けの図解だけでは練習しにくいのはわかる。
「で、こうやって練習して、いつか男性アイドルになれるようにって頑張ってるってわけ。」
「そうか…。しかし一人で練習してるのも大変だよな。どこか事務所に入る気はないの?」
「うーん…。そこを今どうしようか悩んでるんだ。とりあえず、高校には入学できたし、そろそろちゃんと目標へと向かってみようと思っているんだけど、そこで律子ねえちゃんを頼ってしまうのも…。」
「頼ると、何が問題なの?」
「その、なんていうか…。芸能界に入っても、今のまま律子ねえちゃんに頭が上がらない状態が続くのは、どうかなぁと思って…。」
 そんなことか…。涼、おそらく今後君に関わる女性には、その律子さん同様、従わざるを得なくなると思うぞ。