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涼の風吹く放課後 お試し版

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「そうだなぁ、まぁ、とりあえず一人でできるところまで一人でやってみて、限界を感じたら律子さんを頼っていいんじゃないか?」
「そうだね…。ねぇ、勇はどう?一緒にやってみない?」
「え? 俺が? 無理無理。涼みたいにかわいらしくないし。」
「かわいらしいって、何言ってるんだよ。僕は男性アイドルを目指してるって言ってるのに。」
 涼はむくれて見せる。でも、そんな顔もかわいく見えてしまうんだから仕方ない。
「男性でも女性でも、かわいいってことは魅力的ってことだよ。涼の魅力なんだから大切にしたほうがいい。」
「うーん…。なんか、釈然としないなぁ…。勇も、僕が女っぽいって意味でかわいいって言ってない?」
 かわいいなんて、言われ慣れてる風情だ。もっとも、これまで涼にかけられた「かわいい」の言葉の前には必ず「女の子みたいで」という意味がかかっていた、ということか。
「う、そ、そんなことはないぞ。なんというか、性別の壁を超越しているというか、ユニセクシャルな魅力というか…。」
「なんか、言葉で誤魔化してる気がする。」
 涼の目がなんだか冷たい。
「あ、ああ。悪かった。途中まで、もしかして涼は本当に女性アイドルを目指してるのかもしれないって思ったのは確かだ。ごめん。」
「ぐ…、そうやって謝られるのも、悲しいものがあるね…。うぅ。まぁ、そう思われて仕方ない部分が僕にあるのは確かだし。僕の個性だから、しょうがないのかな…。」
 ああ、こう見えて本人でもある程度は自覚してるんだな…。男性アイドルを目指していると主張するのも、最後の最後で男の子としての自我を保とうとしている姿なのかもしれない。
「まぁ、まずは自分が納得するようにやってみることが大切じゃないかな。」
「そんなぁ、勇まで突き放さないでくれよぉ…。」
 すがるような目を見せる。こういう目を天然でするあたり、どう考えても女性アイドルが適しているよなぁ…。
「いや、でも、俺の意見が必要か?」
「うん…できたら。」
「俺が何か言うにしても、女性アイドルのことなら少しは参考になるかもしれないけど、男性アイドルとなるとさすがにわからないぞ。」
「そっか…。でもいいよ、時々、こうして見ていてくれれば。それだけで、なんとなく安心できるって、今日こうして見てもらってわかった。」