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涼の風吹く放課後 お試し版

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「勇、これなんてどう?」
 俺と涼は、最初にこのあたりで一番大きな眼鏡店に入り、まずはそれぞれ良さそうなものを選ぶことにした。2フロアにもわたってディスプレイされていて、すべて見て回るだけで大変に思えたが、涼はあっさり候補を見つけたようだ。
「どんなのを選んだ?」
 まだ候補を見つけてない俺は、涼が試しにかけている眼鏡を見に行った。
「こ、これは…。」
 どこかで見覚えのある眼鏡だと思ったが、よく考えてみると、秋月律子の眼鏡にそっくりであることに気付いた。横長の楕円で、柔和な涼の顔がさらに柔らかく、女性らしくなる。
「そ、それは、少し男っぽさに欠けると思うぞ。」
 さすがにこれはダメ出しをしなければいけない。
「そっかぁ…。」
 どうやらこれは、涼と一緒に探してやったほうがよさそうだ。涼自身の口では、秋月律子に頼りたくないということを言っていても、おそらく涼の深層心理の中では、秋月律子という人の存在は相当大きい、それも、かなり尊敬に近い感情が大きいのかもしれない。だから、一人でいても、秋月律子という存在から受けるバイアスが相当強く涼の中にかかっているように思う。
 男らしくなりたいという目標のためには、この秋月律子の呪縛からは解き放たないといけないんだろう。まずは、ここで涼らしさを出せる眼鏡選びを、俺がサポートしてやりたい。
「涼、これはどうかな?」
 フチなしで、レンズが大きめのデザインのを選ぶ。出来るだけ素顔の涼のままのイメージを活かそうと思った。
「うーん、ちょっと頼りないかな…。」
 とりあえず掛けてみたが、強度的に少し心配だったようだ。まぁ、涼は少しおっちょこちょいなところがあるから、心配はしたほうがいいか。
「じゃあ、こっちはどうだろう?」
 銀色のメタルフレームで、レンズ上部が直線的で太め、レンズの横辺と下辺にはフレームのないタイプを選ぶ。
「うーん、これはちょっと、年齢層が上っぽいかな…。」
 確かにそうかもしれない。うーん、難しいなぁ…。