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影踏み(1)

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「夜ご飯に久しぶりにフランス兄ちゃんの料理が食べられるなんて嬉しいな〜、Grazie!!」
「いやいや、イタリアに食べさせるためならいつでも作ってあげるから、もっと遊びにおいでー。ロマーノもな」
「何で俺が好き好んでお前のとこに来なきゃなんねぇんだよバカヤロー」
「兄弟2人で来たらまとめて可愛がってあげるからなー」
「ヴェー?」
「やめとけヴェネチアーノ、何かこいつ変なこと考えてやがる…ちくしょーが」

怪しげな笑み…というよりは変態的で嫌な笑みを浮かべながらフランスが腕を
広げて悦に入っているので、ロマーノはそのフランスの顎にアッパーを食らわせてやった。

結局、夕食もフランスが腕を振るってくれるというので、昼間にスペインが持ってきたトマトをふんだんに使った料理を食べることになった。
その料理をご馳走してくれるはずの当の本人は、ロマーノの渾身のアッパーを食らって現在無様に床に倒れ込んでいる訳だが。

「ん?何やのフランス。夕食もまだやのにもう眠いん?」

シャワーを借りて農作業の汚れを流してきたため、その状況を把握していないスペインが床に転がったままのフランスに話し掛ける。

「…お前んとこのロマーノ、可愛いけどやっぱ凶暴なのは相変わらずね」
「そやろー、かわええやろ〜!親分自慢の子分やで!誰にもやらんからな〜」
「い、いや…同意してほしいところはそこじゃなかったんだけど…って、今俺を踏みつけてるこの足、どけてくんない?」
「ん?あーごめんなー、気付かんで」
「お前・・・、絶対わざとだろ」

(全く、ロマーノのことになると海賊時代の荒さが戻るってか先祖返りするよなぁ…本当に大事にしてんのねぇ…。それに対して…)
フランスは視線を移動させて、ロマーノを見た。相変わらず不遜な態度…というよりは不機嫌な態度でスペインと話していた。しかしロマーノの表情が心なしか嬉しそうな
のは無意識な本人のために気づかなかったことにする。

(…まぁこっちはこっちで、まんざらでもない、って感じなのかねぇ?)

「あー、フランスが伸びちまって使いもんにならねぇ。スペイン、お前が飯作れこのやろー」
「しゃーないな、久々に親分の腕を振るったろか!!」
「待て待て待て、お兄さんを殴ったことや踏んだことに対して、謝りとか悪びれはないの!?お前たちんとこは愛が溢れてるはずなのに何でお兄さんには分けてくんないの!?
情熱のラテン系でしょ!?」
「せやけど、フランスやろ?ええやん、減るもんやないし」
「もうお兄さん泣いちゃうよ…。はぁー、もういいよ…。ほらほら、その親分自慢のトマトってのをよこしなよ。とびっきりのやつ作ってあげるから」

もう何を言っても自分が可哀想な展開にしかならないので、フランスは諦めて料理を始めた。

作品名:影踏み(1) 作家名:朝凪奏