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影踏み(1)

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鮮やかな赤が食卓を彩った食事は、まさに至高の一品と言って良いものばかりだった。
あっと言う間に平らげてしまい、食後のワインの段階まで進んだところで、昔話に花が咲いた。
そうすると、歴史の長い彼らのこと、いいことも悪いことも、良い奴の話も嫌いな奴の話も自然に出てきてしまう。

「ほんまに昔っからアイツのやり方は気に食わんわ!しかも"無敵艦隊"なんて皮肉った名前つけるんや!ホンマ腹立つわ!」
「そういや、あんときからお前イギリスと仲悪いんだよなー。まー俺はもっと前から因縁あるしな。…イタリアんとこも一回捕虜になってたな」
 その中でも、今回は因縁の相手の名前―イギリスの話題になった。

歴史からすると特筆すべきことでもないのだろうが、一応一度このイタリア兄弟がイギリスの捕虜になったときがあった。そのときは、あまりのイギリスの料
理の不味さに兄弟ともに辟易し、自分の家に帰ることを渇望している姿に、自分の手料理を散々にけなされて傷付いたイギリスが解放を命じたという。その目尻
に光るものがあったとか、体育座りしていたとか諸説あるが、ともかくそんな過去がある。

「うんー、そうだよー。本当にイギリスのところの料理が不味すぎて、パスタやピッツァを食べたいね〜、トマトたくさん乗っけたやつ!とか色々美味しい話し
てたら帰してくれたよ〜。ね〜、ロマーノ兄ちゃん?」
「ん、あぁ…イギリス様のとこはひどかった…」
「え?イギリス"様"?」

作品名:影踏み(1) 作家名:朝凪奏