HONEYsuckle
[continue?]
鬼道は月曜日学校を休んだ。火曜日には全く変わらないない様子で登校してきて、円堂と過ごした一週間には一言も触れようとはせず、聞いてもあからさまに話題をそらした。ああ鬼道はあの時間を消してしまいたいのかと円堂は考え、鬼道はあの時間をきれいなままで自分の胸にしまっておきたいと思っていた。すれ違ったまま時間は過ぎた。やがて色褪せ、まるで感情は交わることがなかったかのように奥へと追いやられ、忘れることの出来ない苦しさも甘酸っぱさも日常に押し潰されて縮まって、いつしかまるで、夢の中の出来事であったかのように。
「おはよう」
「ああ…おはよ」
夢から醒めたように。
作品名:HONEYsuckle 作家名:あつき