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りりなの midnight Circus

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 狭い廃棄場を抜け、広い滑走路を目の前にし、彼女は喜びの声を上げるようにそのしまわれた翼を大いに開いた。
「ああ、今日もご機嫌だな、|お嬢様(マイ・スイート)。それじゃ、よろしくお願いしますよ」
 カーティスがスロットルレバーを四分の一引き、彼女は世界へと飛び出した。
「ベルディナ大導師。滑走路にフライトアプローチにある航空機を確認しました。無視します」
 エルンストは、窓の外にそれを見た。大型旅客機が、これから行こうとする滑走路へと入ろうとしているところだった。
「了解だ。場合によっては威嚇射撃を許可する。威嚇だけだ、先方には一発も当てるなよ」
「威嚇の必要もありませんよ。連中、度肝抜かれてます。このまま加速します。舌をかまないようお気をつけください」
 カーティスは、進路がクリアになり、操縦コンソールのインジケーターがオールグリーンを示すことを確認すると、遠慮なくスロットルを全開まで引ききった。
 通常空間航行のための化学反応式アフターバーナーがさらに火を吹き上げ、彼女はその住処である大空へと向かいまっしぐらに突き進む。
 そして、カーティスはその滑走路の切れ目を見極め、エレベーターレバーを引き込み、そしてテンオは大空へと付きあがっていった。
「ベルディナ大導師。どうやら、この空域は閉鎖を食らっているようです。前方12000に大規模航空隊を確認。ミッドチルダ武装航空隊第四大隊。どうやら、|要撃の鉄槌(ストライク・フォートレス)がお出ましのようです」
 ベルディナは、自分の席にそのデータの描かれた地図を引き寄せた。
「航空魔導師240名による大規模戦隊か。相手にしてられんな。カーティス。奴らとのエンゲージ700手前で離脱を敢行せよ」
「手前700ですか。下手をすれば、連中のいくらかも巻き込むかもしれませんよ」
「かまわん。やれ」
「了解」
 エルンストは何も質問せず、ただ状況を見守る。この状況においては自分が何を言おうとも意味はないだろう。
 大空へと飛び上がり、地上の足かせから解放された|大空の乙女(テンオ・ローウィス)はさらなる加速をつけ、その武装集団のまっただ中へ向かって突き進む。
 カーティスは、その速度を調整しつつ、敵の行動を見守った。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪