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りりなの midnight Circus

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「ええ。知らせを受けたときは正直驚きましたが。何とかこの新型艦の航行試験スケジュールを組むことができましたよ。さすがにいつまでもこのままではいられませんが、今回の件に関しては協力できると思います」
「ウィリアム・レガートの差し金か。やつは相変わらずのようだな」
「ベルディナ大導師に協力できることを喜んで言いました。俺もいきたいところだが……という伝言をもらっております」
「ふん、お前の旦那もなかなかやんちゃだからな。手綱取りが大変だろう」
「全くです。あの人ももう少し落ち着いて行動してほしいものですよ」
 ベルディナと美由紀をこのまま話をさせていてはいつまでたっても話が進まない。そう考えた彼女のそばの副官らしき男は、美由紀の座るチェアの背もたれに手を置き、先を促した。
「ごめんなさい、サライト副長」
 美由紀はあわてて、姿勢を正し、そのそばに置かれた書類を手にとってベルディナに手渡した。
「このたびの辞令書を預かってきました。ベルディナ・アーク・ブルーネス特務捜査官。貴官には今回、時空管理局がらみの事件に関する権限を与える、とのことです」
 ベルディナはその書類に軽く目を通し、それに問題なしとするとそれを懐にしまい、
「了解しました」
 とだけ伝えた。その特務捜査官というものには敬礼の習慣はないらしい。
「ところで、ベルディナ大導師が保護されたというあちら側の魔導師の方達をこちらで保護しています。いま、こちらにお呼びしましたので……」
 という美由紀の言葉を遮るように、艦長室の扉がノックされた。
「どうぞ、お入りください」
 おそらく、先ほど言った客人達のお出ましのようだと思い、美由紀は彼らの入室を許可した。
「失礼いたします、本山艦長。レイリア・フォート特務捜査官入ります」
 それはエルンストが聞き慣れた声だった。
 彼が驚いて振り向くと、見慣れない衣服に身を包んだ彼が敬礼をしながら部屋へと入ってきていた。
 そして、その背後にはさらに見慣れた彼らがいることに、エルンストはある一種の安心感を覚えた。
「よう、レイリア。上手くやれたみたいだな」
 ベルディナは部下の成功を知り、不敵な笑みを送った。
「ええ、ベルディナ大導師。一切問題なく、すべて順調に対処できました」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪