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りりなの midnight Circus

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 なのはの目から出される好奇心とわずかに混じる敵愾心を感じ、ベルディナも少しその戦いを楽しみに思っていた。
「高町一尉とベルディナ大導師の一騎打ちか。これは、見逃せないカードだね」
 レイリアが愉快そうに言うところ、彼もそれを観戦するつもりなのだろう。
「そうだな。確かに興味がある」
 かくいうエルンストもそのつもりだった。周りを見て、頷くものばかりのところ、おそらくここにいる全員がそれを観戦するつもりなのだろう。軽いお祭り騒ぎになりそうだなとエルンストは予想した。
「どっちが勝つと思う?」
「現状の情報からすると、おそらく高町一尉だろう。しかし、ベルディナに関する情報が不足しすぎている。彼の戦闘力が判然としない以上、文字通りやってみないことにはわからんだろうな」
「それは、僕も同じ意見だ。だけど、部下としてはベルディナ大導師に勝ってもらいたいね」
「その気持ちはわからなくもない。しかし、単体としての戦闘力というものはそれほど重要なものかと俺には思う」
 レイリアと少々雑談を始めたエルンストだったが、誰かが自分の裾を引いていることに気がつき、話を一度中断させた。
「ねえ、エルンスト。これ……」
 彼が、そこを見ると、少し顔を赤くしたアリシアが彼の裾をひいて何かを差し出しているところだった。
「これは、俺のデバイスか」
 腕輪になったもの、そして赤い宝石状のもの。それは彼がミッドチルダに忘れていたものだった。
「壊れてないと思うけど、ちゃんと調べておいて」
 アリシアはそういいつつもまだ面を上げようとしない。
「ああ、わかった。ありがとう、アリシア二士。おかげで助かった。これで俺も戦える」
 ありがとう、というエルンストの言葉に、アリシアはおろかレイリアにエリオン、朱鷺守さえも驚いた様子で彼を見た。
「なんだ?」
 周りの視線を一気に集め、エルンストは驚きを隠しながらそれらを見回した。
「ああ、いや。君の口からその言葉が出るなんて珍しいと思ってね、他意はないよ」
 なにやら微妙な笑みを浮かべるレイリアだったが、実際エルンストも自分の口からこれほど素直な言葉が出たことを少しばかり奇妙に思ってもいた。
 遠くでなのはとヴィータがほほえましい視線をエルンストに送っていることを無視すると、再びアリシアに向かい、
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪