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りりなの midnight Circus

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 確かにヴィータの持つ【グラーフ・アイゼン】は近接及び、中距離射撃攻撃も行えるマルチロールのデバイスであるのは確かだが、その真価はやはり敵の防御ごと相手を叩き伏せる近接戦闘(クロス・レンジファイト)であることは明らかだったし、常に全周を見守り、全てを計算に入れてあらゆる方向へと支援を行わなければならない中衛を任せるには少し不安がある。
 やはり、中衛はレイリアしかいないか、と結論づけるなのはは、もう一度位置から編成を考え直そうとした。
「お、やってるな。ご苦労さん」
 そんな中、ベルディナがシミュレーションルームに顔を出した。
「ベルディナ大導師。お疲れ様です」
 レイリアは、ここのところずっと部屋に篭もりっぱなしだった彼に一礼して迎え入れた。
「ベルディナさん。そろそろ時間ですか」
 なのはは時計を見て、彼との約束の時間が近づいていることに気がついた。
「ああ、まあ先にそっちのことを済ませておけ。俺も少しだけ時間に余裕が出来た。まだしばらくは大丈夫だ」
 なのははそういうベルディナに、「すみません」と言うと同時に彼にも助言を仰いだ。
「なるほどな。確かに、戦列が若干ちぐはぐしているか」
「ベルディナ。あんたならどうする?」
 エルンストは、先程までの戦闘データを読みながら指で後頭部をかくベルディナに訪ねた。
「俺ならねぇ。あんまり参考にならねぇとおもうが」
「興味があります。教えてください」
 朱鷺守も身を乗り出した。
「そうだな。俺なら、朱鷺守とレイリア、双子のリーファ、ヴィータと高町のタッグを三つ配置しそれぞれが独自に行動する。おそらく、そのコンビが一番お互いにとって動きやすいだろうからな。そして、その運用方法をエルンストが広域情報収集能力で補い、自身はマルチに行動しそれぞれに射撃支援と不明驚異の排除をする。といったところか。どうも、これまでの戦闘では、エルンストの射撃能力に重きを置きすぎで、こいつの潜伏能力と情報能力をおざなりにしているような気がするな。こんな感じでどうだ」
 ベルディナのその言葉に、エルンストは、
(なるほど、自分の手駒を重視するだけに、人を見る目はあるようだな)
 と感じた。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪