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りりなの midnight Circus

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 ベルディナはそういうと、片手を掲げてなのはに挑戦的な視線を送った。
「ええ、さっそく。制限なし、勝つためなら何でもOK。制限時間なし。どちらから負けを認めるか、戦闘不能になるまでとことん。全力全開で」
 なのはは【レイジング・ハート】を掲げ、全身からあふれる魔力をそれに込めた。その顔は笑っている、まさに好敵手を見つけたときの戦士の笑みだった。
「いいだろう。年上として先陣は君に譲ろう」
「後悔しますよ」
 なのはは、先陣(サービス)を受けたことを屈辱とはとらえていなかった。むしろ、何の制約もなく全力をただ彼にたたき込めることを喜びと感じた。
 彼女は、カートリッジをロードする。遠慮なく、5発分を。
 彼女の持つデバイスは変形を遂げ、その周囲にいくつもの補助器(ブラスター・ビット)を展開させた。【レイジング・ハート】はエクセリオンよりエクシードへ、さらには改良を加え体への負担を軽減されたブラスターモードへとその姿は変貌していく。
「すばらしい。それだけの魔力を運用できるとは、噂以上だな、高町一尉。だからこそおもしろい!」
 ベルディナもそれを見つつ、右腕に魔力を練り込み始めた。先陣は彼女に譲った。しかし、それは単に攻撃の機会を与えると言うだけで、さすがの彼でもあれを食らえばひとたまりも残らないとは自覚していた。
「いくぞ、バリアブル・アート。今出せる全力を出す。久しぶりに楽しい戦闘ができそうだ」
 彼は身のうちに潜む"それ"に声をかけ、その一撃を心待ちにした。
「全力全開! スターライトォー……!」
 それは、彼女が放てる最高最大の魔術だった。錬成した魔力をただエネルギーとして拡散させ、放射するまさに星をも砕けと言わんばかりに高められた魔力の前ではあらゆるものが灰燼と帰する。
「……ブレイカァー!!!!」
 なのはとベルディナの距離はおよそ1200m。その距離においては、彼女の攻撃も着弾まで数秒を要する。
 ベルディナは襲い来る莫大な魔力の奔流を体に感じつつ、ゆっくりと口を開きそれを紡ぎ出した。
「創世の時、父なる神はこう告げられた。『記せ、ここより後に命を捧げしものは幸いなり。この後のをもってこの世に在りしものに我は祝福を与えん』」
 それはまるで歌のように彼の口より紡ぎ出され、それに呼応するように彼の魔力は呼び覚まされる。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪