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りりなの midnight Circus

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第二十四話 決意


 夜明けを待ち、エルンストは自らの手で殺害した彼女の遺体を丁重に葬るとその足で朱鷺守の屋敷へと向かった。
「ふう……今回は、さすがに疲れた」
 エルンストは、自らの体の状況を確かめ取り合えず風呂に入りたいと思った。この三日ほど彼は常に行動を制限していた。つまり、それは、風呂に入らない体を洗わないと言うことではなく排泄さえも控えなければならない状況だったのだ。
 さすがに股間に設置されたパックがあるためそれらのにおいをあたりにまき散らすことはないが、不快であることこの上ない。
 そう思い、門をくぐろうとした彼に巨大な影が襲いかかった。
「てめぇ、今まで何処に行ってやがったぁぁぁーーー!!!」
 その影は天空を埋め尽くす巨槌として彼を押しつぶそうとし、エルンストは持ち前の勘の良さからそれをぎりぎり回避する。
 ヴィータが鬼のような形相でその身を真っ赤なドレスに包み、エルンストをにらみつける。
 そのあまりの恐怖に彼は、それに襲いかかるさらなる恐怖への反応が遅れた。
「ディバイィィィーーン……」
 圧倒的に練り上げられる魔力。それが波動となって自分自身を襲いかかることを感じた。
 そして、その次の瞬間耳を打った、カートリッジがロードされる音が三つ。
「バスタァァァーーー!!」
 その薔薇色の波動の向こうには、まさに白い衣服に身を包んだ悪魔ともとれる彼女がそびえ立つ。
 エルンストはなのはによって放たれたその波動に戦慄を感じた。
(まずい、あれは非殺傷設定であっても飛ぶ!!!)
 ヴィータの巨槌をよけて体制の崩れた彼だったが、それでも腰をひねりきり足が折れることもかまわず地面を蹴り飛ばした。
 ジュッといういやな音が自身の裾から響き渡り、彼は何とかそれを避けきったと思ったが、天空から飛来する迅雷に、またもや反応が遅れた。
「エルンストの……馬鹿ぁぁーー!!」
 その瞳に蓄える涙とともに美しい軌跡を描き、アリシアの持つ突撃槍型デバイス【ストライクイーグル】はその名に恥じぬ速度を持って地に伏す獲物に爪を立てる。
 いったいその切っ先に何を仕込んでいたのか。それはエルンストの体をギリギリ反れ、地面へと突き刺さったと思いきや、それを起点にして大爆発を起こし、エルンストの体を遠慮なく吹き飛ばした。
「が、はぁ!」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪