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りりなの midnight Circus

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「みんな強いなぁ。私は、だめだなぁ」
 なのはは誰もいなくなった客間に一人のこり、ミッドチルダに残してきた愛しい人たち、培ってきた仲間のことを思いやった。
 捨てることなんてできない。だけど、このまま進めばそうしなければならない可能性が高い。
「ユーノ君からは、らしくないって言われるだろうな。昔の私なら悩むこともなかっただろうし。やっぱり、変わっちゃったってことなのかな」
 なのははゆっくりと畳に体を横たえた。
「みんなの声が聞きたいな。ヴィヴィオ、ユーノ君、フェイトちゃん、はやてちゃん、アリサちゃんにすずかちゃん。クロノ君、リンディさんにエイミィさん。六課のみんな。今頃どうしてるのかな。会いたいよ」
 決意は決まっている。だが、彼らの顔を思い浮かべるごとにその決意のどこかが揺らぐ気がする。
 なのははそんな自分の感情をもてあましながら、うとうとと微睡みに沈んでいった。

***

 昼食をそれぞれ別々にとった彼らは、誰も申し合わせることなくそのときを迎えた。
「悪いねカーティス。ずっとほったらかしにしてしまって。退屈だっただろう?」
 ここについて以来ずっと、輸送船テンオにこもり資材の管理と船体の整備を行っていたカーティスはレイリアの労いをありがたく受け取った。
「こいつを放置していくわけにはいきませんしね。むしろ、こいつの側にいられてご機嫌ですよ。俺も、彼女(テンオ)も」
 輸送船をまるで自分の恋人のように扱う彼はレイリアの予想とは違い、実に楽しそうに振る舞っている。
「もう一仕事してもらう。コンディションはベストに保っておけ」
 ようやくアリシアに解放されたエルンストは、合成蛋白剤を口にしながら自身のデバイスの調整に精を出している。
 アリシアとの訓練はエルンストにとっても有意義なものとなった様子で、新たに考え出した【クリミナル・エア】のセッティングを行っているようだった。
 テンオに搭載された簡易ではあるが性能のよいデバイス調整器に【クリミナル・エア】をつなぎ、先ほどから忙しそうにキーボードをたたいている。
「ねえ、エルンスト。その行の値はおかしいだろう? ちょっと大きすぎない?」
 レイリアはそれを側で見守りながら気がついた箇所に関しては様々に助言をしている。
「だが、これより小さければ弾頭の修正にコンマ12の誤差を残す」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪