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りりなの midnight Circus

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「まさか、飲んできたのではなく、まだ飲んでいる最中だよ」
 彼はそういうと、懐から蒸留酒(スピリッツ)の缶を取り出しにやっと笑った。
「明日に響かないようにしてくださいね。それと、飲酒での訓練は禁止されていますよ」
 なのはは苦笑を浮かべ、もう一度岩に腰を下ろした。
「ここは管理局じゃねぇんだ。少しぐらいは大目にみてくんな」
 朱鷺守は手のひらサイズの缶から少量酒を口に含むと余韻と共に息を吐き出し、夜空を見上げ、少しの間沈黙を保った。
 自然と会話のなくなる三人だったが、その沈黙を破ったのはヴィータだった。
「なあ、朱鷺守。今回の作戦、どう思う?」
 今回の作戦、明朝に控えたそれを思い朱鷺守は少し思案して答えを出す。
「どう思うも何も、現状できる最良の作戦だろう。俺も同じことを考えていたから、特に疑問はない」
 その答えはなのはもヴィータも想像していたことだった。
「だけど、結局またエルンスト君に頼ることになってしまいました」
 なのはの言葉に朱鷺守も、「そうだな」と相づちを打つ。
「だが、まあ。いいじゃねぇか。俺たちは俺たちのベストであいつを支援する。あいつは俺たちの支援を受けてベストを尽くす。それでいいじゃねぇか」
 おそらく、朱鷺守も納得のできないところがあるのだろう。しかし、宣告述べたとおり、自分たちがエルンストと同行したことろでできることは、彼の足を引っ張ると言うことだけであることを理解していた。
「何事も、完璧に回ることはねぇか」
 ヴィータはそういうと寝転がった。夜風に冷やされた地面が背中を通して体の熱を奪い心地がいい。このまま寝ちまおうかと彼女は一瞬思ったが、なのはの手前それはやめておいた。
「そうだね」
 なのはは寝転がって広がったヴィータの髪をいじりながらつぶやいた。
『Master,There is the word that the right man in the right place. And he is the best scout soldier……(マスター、適材適所という言葉があります、そして彼は最高の偵察兵であり……)』
 なのはに気を利かせ、【レイジング・ハート】はその身を光らせた。
「うん、わかってるよ、レイジング・ハート。私は私のできるベストを尽くすだけだって。わかってるよ」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪