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りりなの midnight Circus

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第二十六話 フォートレス(後)


 早朝、山に囲まれた盆地に位置する要塞(フォートレス)は視界を遮る濃い霧の中に埋没してその姿を伺うことはできなかった。
 レイリアはその霧に乗じてその上空へと進入し、全員を確認した。
「ガジェットの総数は変わらず。空中に5000,陸上に4000。合計9000ほど、10000には届かないが。かなりの数だ」
 すでに別ルートより進入を開始しているエルンストの通信に空に飛ぶ彼らは緊張を高めた。
「目標潜入ポイントに到達。これより潜入を開始する。では、手はず通りに」
 エルンストはそのまま返信を待たず通信を切り、以降の通信を不通とした。
「それじゃあ、私たちの出番だね」
 なのはは【レイジング・ハート】を構え、嬉々とした様子でレイリアを見た。
「ええ。では、先陣を任せます。遠慮なくぶちかましてください」
 レイリアは笑顔と共に親指を立て、あげくにはウィンクさえも彼女に送った。
「うん。お願い、レイジング・ハート」
『Yes,master.Mode Exeliron.Cartridge load (了解です、マスター。モードをエクセリオンへ移行。カートリッジをロードします)』
 その先端より少し手前に装備された弾倉から、レイジング・ハートはベルカカートリッジを本体に装填させ、なのはのあふれんばかりの魔力をさらに増強させ莫大な光を放つ。
「温存しておけよ、本番はまだまだ先だ」
 朱鷺守はその絶大な魔力を感じ、ヒュウと口笛を吹いた。
「高町一尉の攻撃の後、各自散会。チームを組みつつ戦闘開始」
 レイリアの指示に全員が「了解」と答え、なのはは脳裏にインプットされた敵の中心へとその矛先を向ける。
「ディバイン・バスター!!!」
 どこからか鈴の音がチリンと鳴った。

「複雑な作りだ」
 隔壁の割れ目から内部に進入したエルンストは、未だアラームの響かない内部を見回しそうため息をついた。
 先ほどから【ストライク・ビューワー】が収集する情報を租借し、彼はその内部にしかれたセキュリティーシステムの密度の濃さを思い知った。
「急ぐか」
 そして、エルンストは【クリミナル・エア】をセットアップさせガジェットをコントロールする場所を検索した。
 そして、歩き出したエルンストの懐から鈴の鳴る音が一つ響いた。
「なんだ?」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪