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りりなの midnight Circus

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 エルンストはそれを取り出し、そして見た。両親の形見のものかもしれない壊れたデバイスコア。それは何の光も放たない赤い宝石だった。
 おそらく気のせいだったのだろうと彼は、それを再び懐にしまい込み道を急いだ。

「いいか、お前ら。単独で相手とやり合おうとするな。常に連携を心がけろ」
 ひっきりなしに次が現れる戦場で、両手に持つナイフを振るいながら朱鷺守は全員に檄を飛ばした。
「そういうあなたも、もう少し連携を意識したらどうですか?」
 その戦場の中心に立ち、様々な特殊効果弾頭を打ち続けるレイリアがそう朱鷺守に伝えた。
 レイリアの周囲には彼を守ろうとするかのように、様々な色彩を放つ光弾がぐるぐると飛び回る。
 その数はすでに20を超えて、なおも増え続ける。
「Magic burret , semi activ control.Gard to Tokinokami」
 レイリアはそう叫び、朱鷺守の周辺に魔力弾を展開させた。その数8。
 2発のデコイを含むそれは、ガジェットの照準を乱し、残る6は朱鷺守の死角に回り込もうとするそれらに襲いかかり打ち抜く。
「余計なことだよ、レイリア」
 チッと乱暴に舌打ちした朱鷺守は、勝手に自分の獲物を捕られた腹いせに彼の背後に目をやった。
 レイリアの弾頭をかいくぐり、高速度で飛来するガジェットをその目が捕らえた。
「Extreme Hurricane!!!
 その言葉と共に朱鷺守の姿が消えた。いや、それはレイリアの目にそう映っただけに過ぎず、彼の姿は彼の背後に飛来するガジェットの機体を正確に捉え、それを両断した。
「俺に何の意識が必要だって?」
 にやっと笑う朱鷺守は、ガジェットが吹き上げたオイルがべっとりと付着したナイフ、【ナイトホーク】を掲げニヤッと笑っていた。
「これは失礼。あなたの機動力は最高です」
 朱鷺守の切り札。人間では到底移すことのできないほどの高速軌道制御技術は、それだけで力となるほど練り上げられたものだ。
 朱鷺守はまたにやりと笑い、
「レイリア、お前は双子のリーファをフォローしにいけ。俺は、高町一尉とヴィータ二尉の所へ行く」
「了解です、朱鷺守一尉」
 レイリアは再び特殊効果弾頭を周囲にまき散らしながら苦戦を強いられつつある双子のリーファの元へと飛び去っていった。
「ガジェット残り4800。先は長そうだな」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪