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りりなの midnight Circus

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「私にはわからない。どうして死ぬ必要があったの? どうして死ぬことを選んだの? それを言ってくれれば私たちが力になれたかもしれない。誰も死なないですむ方法があったかもしれない。それなのになぜ?」
 なのはは震える膝に力を奪われ、その場に崩れ去るように跪いた。
「理由は明快です。そうすることで果たされることがあり、守れるものがあったからです。それが俺たちの行動理念。最大限有効活用されるべき部品としてのあり方なのです」
 エルンストの言葉に、なのははキッと瞳を鋭くさせ彼をにらみつけた。
「君は、どうして、何で。どうしてそんな生き方しか選べないの?」
 おそらく、なのはには一生をかかって理解のできないことだろうとエルンストは感じていた。人命より優先しなければならない任務がある。その結果を出すためには己の命さえも消費する必要がある。そうあって守られるものがあり、果たされることがある。
 沈黙に沈む彼らを、いや、要塞全体をとりわけ巨大な振動が襲いかかる。
「なんだ?」
 必死に体の安定を取ろうと足を踏ん張る朱鷺守だったが、これは地面自体が傾いていることを感じ、一度空中に低く飛び上がった。
「まさか」
 エルンストは、最悪の事態を想像し【ストライク・ビューワー】に情報収集を命じた。
「いったい何が……」
 アリシアにしがみつきながらエリオンもその振動に耐えつづける。
 そして、その振動が緩やかになり次第に消えていった。
 エルンストは起き上がり、【ストライク・ビューワー】が収集し処理した情報を引き出しそれを見て驚愕した。
『よう、無事か?』
 そして、困惑に彩られた彼らの中心に一人の男性がモニター越しに割り込みをかけてきた。
「ベルディナ・アーク・ブルーネス。あんたか」
 もう、顔も見たくないと思っていた彼の姿がそこに現れたことに頭痛を覚えた朱鷺守は、彼に対して嫌そうな表情を隠さず伝えた。
『無事のようだな。何よりだ』
 ベルディナの言葉にエルンストは頭を振って答える。
「無事ではない。レイリアが死んだ」
『そのようだな。それに関してはこちらの予定通りだ。何もお前が気にすることではない』
 やはり、レイリアの死は最初から予定されていたと言うことか。ベルディナであれば、彼を消耗品として扱うことに躊躇はないはずだ。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪