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りりなの midnight Circus

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「ところで、この揺れはいったい何なのですか? あなたが出てくると言うことは何かやっかいなことが怒っていると推測できますが」
 ようやくアリシアから離れたエリオンは冷静な視線に棘を混ぜ彼を見つめた。
『おそらく、エルンストは既に感づいているだろう。どうだ?』
 ベルディナの要請を受け、エルンストはそれに応えた。
「この要塞が現在浮遊し、徐々にその高度を上げていっている。このままだと、いずれ大気圏を突破し宇宙空間へ。ストライク・ビューワーの予想では、この要塞は時空間を航行する能力もあると出ている」
『ご名答、流石だな。エルンストの言うとおり、そいつは今浮遊要塞として息を吹き返した。レイリアが最後によこした情報によると、やっかいなことにその要塞はどうやら聖王のゆりかご並かそれ以上に危険な代物であるらしい』
 聖王のゆりかごの危険性を知るなのはとヴィータはそれ以上の危険性のあるものと知らされ、寒気を覚えた。
『現在、何とかそれを破壊できるぐらいの戦力を集めている最中なんだが、正直間に合いそうにもない。それがもしも時空間への進出を赦せばこちらでは対処のしようがない』
 ベルディナは言葉を切り、モニター越しにそこに立つ全員の表情を伺った。
『お前らに頼む最後の任務だ。そいつを黙らせろ。以上だ』
 ベルディナは彼らの答えを聞くことなく通信を終えた。おそらく、間に合わないにせよ最後の切り札として大規模戦隊の集結に戻ったのだろう。
「まったく、言いたいことだけ言って、自分はさっさとおさらばって訳か。何処まで行っても自分勝手な奴だな」
 朱鷺守の愚痴にアリシアは大きく頷き、不満に腕を振り回した。
「まったくよ。何よ、あいつ。ひょっとしたらあいつこそ諸悪の根源なんじゃないの? 一番最初にやっつけてやらないといけなかったんじゃない」
 その意見には賛成だとエルンストは答え、朱鷺守にこの後の行動について意見を求めた。
「とにかく時間がない。部隊を二つに分けよう。片方は、コントロールルームでこの要塞のコントロールを掌握する。もう片方はこの要塞の動力室へ向かいそれを完全に破壊する」
 その意見に全員が肯首で答えた。
「それなら、コントロールルームには俺とエルンスト。そして、残りは動力室へ……」
 という朱鷺守は、そこまで言葉をつなぎ、突然体を折り曲げた。
「と、朱鷺守さん。どうしましたか?」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪