りりなの midnight Circus
何処までも延々と続くように見えたその空洞は下から吹き上げる風にのって不気味な音を奏でる。
エルンストは、覚悟を決めてそれに身を躍らせた。
それを見届けたなのは達は朱鷺守、アリシアに肩を貸しその場を離れようとする。
しかし、なのははエルンストが立っていた場所に一つの光り輝くものがあることに気がついた。
「これは? デバイスかな?」
なのははそれを拾い上げ、その赤色の真球が自分の持つデバイス【レイジング・ハート】のコアに酷似していることに気がつく。
「エルンストが持ってた奴だな」
なのはの肩を借りる朱鷺守は、それがいつもエルンストが肌身離さず持っていたものだと言うことに気がついた。
なのはは壊れて反応を返さないそれをしばらく見つめ、後でエルンストに返しておこうと思いそれをスカートのポケットにしまい込んだ。
「あたしも途中まで一緒に行く」
ヴィータはそういって彼らを先導するように先を飛び立った。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪