二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

りりなの midnight Circus

INDEX|180ページ/187ページ|

次のページ前のページ
 

 ヴィータからの通信が入ると同時にエルンストは要塞のコントロールルームに到着し、そのコンソールにアクセスを開始していた。
「こちらエルンスト。現在、要塞内を検索中。少し待て」
 エルンストはそのデータ項目から動力室に関するものを検索し、そのコントロールを支配しようとする。しかし、それは阻まれた。
「こちらエルンスト。どうやら動力炉の停止には特定職員の個人認証と24桁のパスワードを必要とするようだ。パスワードだけならストライク・ビューワーで何とかなるが、個人認証を回避するには相当な時間がかかりそうだ。隔壁と防衛システムの沈黙には成功したが、最終防壁の解除ができない。予定通り手動による停止を要求する」
 エルンストはそう答え、ヴィータの『了解!』という嬉々とした返事を聞いた。
「さて、こちらは動力炉以外のシステムの掌握と動力炉停止後の軌道安定制御を組み込まなくては」
 エルンストはコンソールシステムと【ストライク・ビューワー】をアクセスさせ、要塞すべての隔壁を開放し、そのまますべてのシステムをオールダウンさせた。
 コンソール入力装置を操作し、最後のキーを押し込んだところで要塞全域を包み込むほどの衝撃と振動が襲いかかった。
『こちらヴィータ。動力炉の破壊終了。チョロいもんだぜ』
 エルンストはコンソールのモニタに動力炉停止の警告が出されたことを確認し、ホッと一息ついた。
「確認した、では合流して……」
 脱出だと言おうとした彼の言葉を、再び襲いかかった衝撃がかき消した。
『今の衝撃はなんだ?』
 どうやらヴィータもそれを感じていたらしく、エルンストは「すぐに調べる」と言って再びコンソールを叩き始めた。
 しかし、それは調べるまでもなく、続くアラーム音と要塞内に流されたアナウンスがそれのすべてを語っていた。
『動力炉停止、並びにシステムに致命的なエラーの発生を確認しました。これより当要塞【永遠の箱船】は機密保持のため自壊システムをロードいたします。職員は速やかに所定の手順により脱出を。残り時間30分』
 自壊システムをロード、それはつまり……、
『自爆か!』
 ヴィータの言うとおり、この要塞は自らを保全するためすべてを抹消するつもりのようだ。
「ヴィータ二尉。どうやら合流する暇がなくなったようだ。これ以降はそれぞれ独自の判断により脱出。外で会おう」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪