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りりなの midnight Circus

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 エルンストはそう手早く告げると、急いで脱出の準備にかかった。
『了解! 後でな』
 ヴィータも通信を切った。
「あのシャフトを登るには時間がないか。ストライク・ビューワー。他の脱出路は検索できるか?」
 エルンストは自らの飛行特性のなさに少し歯ぎしりをするが、【ストライク・ビューワー】がはじき出した答えに少し安堵を浮かべた。
『この先の通路の先に職員脱出用の短艇(カッター)を確認』
 ここから500mほど先に浮かぶ光点は確かに理想的な脱出路となっているようだ。エルンストは、すぐに制御室のドアを抜け、そこへと急いだ。
 残り26分。十分間に合う。
 衝撃により隆起し、鉛管をむき出しにする廊下を走り抜けながらエルンストはヴィータに通信を開き、
「こちらエルンスト、脱出用の短艇(カッター)を発見。後に回収してくれるとありがたい」
 と伝え、ヴィータは、
『ああ、あたしもそろそろ脱出できそうだ。なんか、外と中では通信がつながりにくいらしい。さっきからなのは達が呼んでいたらしい』
 と答えた。
 なるほど、道理でヴィータの声が聞き取りにくくなっているわけだとエルンストは感じると、ヴィータとしばしの別れを告げ、遠くなる彼女の声を最後まで追っていた。
『自壊システム完遂まで残り15分。職員は速やかに所定の手順により脱出を。残り15分です』
 エルンストの道もほぼ終わりが見えている。この曲がり角を行けばそこには脱出艇が待機しているはずだ。
 エルンストは角を曲がり、その片鱗を目に移した。
 その瞬間、襲いかかる大規模な振動。廊下を照らし続けていた証明が一瞬で遮断され急激に遮られる視界。
 エルンストはその次の瞬間に襲いかかった大規模な崩落に体を取られ、再び意識を失った。

***

 要塞を脱出したヴィータは彼女を心配して救出に駆けつけていたなのはとエリオンと合流した。
「ヴィータちゃん。これはいったいどうなっているの?」
 内部からは様子が分からなかったその要塞は、今となってはその巨体の各地で小規模大規模な爆発を起こし、そのみの端を崩落させて言っている様子だった。
「一応任務完了だ。それより早く離脱するぞ。どうやら、この要塞、自爆するらしい」
 ヴィータの簡潔な説明になのはは度肝を抜かれるが、その側にエルンストがいないことに気がついた。
「エルンスト君は?」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪