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りりなの midnight Circus

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 幼少より彼女と共にあった仲間、フェイト・T・ハラオウン、八神はやて、シグナム、シャマル、ザフィーラ、アルフ。そして、彼女をこの世界へと導いたユーノ・スクライア、まるで兄のように常に彼女を見守り影ながらサポートをしてくれるクロノ・ハラオウン。誰もがなのはにとってかけがえのない仲間であり、家族も同然の間柄だった。
 時折連絡のある彼らは、現在順調に自分の目的のために歩みを進めている様子がうかがえた。
 フェイトはあの後、問題なく執務艦長に任命され、現在ではその補佐官と共に一艦の主として時空世界を飛び回っているらしい。はやてはその後部隊長の職務を辞退し、現在は新部隊立ち上げの補佐をする立場にあるらしい。聞くところによると、二年ほど前、彼女の補佐により、かつての機動六課の実働部隊が産声を上げたとか。その部隊がどのようなものなのか、同じ時空管理局に所属する彼女でもその詳細は聞かされていないということから、それなりに秘匿事項の多い部隊なのだろうが、はやての持つ部隊のことだ、おそらく優秀な人員で構成された良い部隊なのだろう。シグナムを始め、ヴィータを除くヴォルケンリッターは良いはやての護衛と補佐役として有名になりつつある。
 クロノは執務官提督として時空管理局をよく導いている。最近、テレビで彼の姿をよく見かけるようになった辺り、順調にキャリアを積んでいることだろう。
 そして、ユーノは。なのははベッドの枕元に置かれた二枚のフォトスタンドをちらっと眺めた。
 そこには、フェレットの姿をした彼を幼い自分が抱えている写真と、数年前かつての聖王関連の事件を解決した後に彼と撮った写真が並べられていた。
 ここ数週間ほど会っていない。以前なら二人とも何とか時間を見つけて食事や買い物に出かけていた、当然娘のヴィヴィオもつれて。
 しかし、なのはに舞い込んだ昇進の話から急激に忙しくなり、今となっては連絡を取ることもおぼつかなくなっている状態だ。
 なのははここに来るまで昇進の話をことごとく辞退していた。それは、今の一等空尉の階級に何の不満もないことも上げられるが、これ以上の昇進をすればいずれ現場にいられなくなってしまう可能性が高まるからだ。
 しかし、なのははベルディナに言われた言葉にその考えを改めるべき時が来たということを感じていた。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪