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りりなの midnight Circus

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『君が何時までも現場にいたいという気持ちはよく分かる。しかし、現実はそうもいっていられない。君はそろそろ、次世代を築き上げそれを育成する立場に立つことも考えなければならない。ここで、一つ自分のリアルな将来というものを考えてみてはどうかな』
 その言葉に彼女は反論できなかった。
 そして、思い悩む彼女にユーノは的確な助言をすることが出来なかった。何せ、それはなのは本人の将来に関することなのだ。事実上他人であるユーノにそれをどうしろとは言えない。それはなのはにも理解できることだったが、出来ることなら彼には何らかの道を指し示して欲しかったとも思っていた。
 そんな彼女に一つの道を与えたのが、ベルディナ本人だったのだ。
 彼は、ひとまず当面の所、教導武官の道を目指してみてはどうかと進めた。教導武官、それはベルディナの立つ教導隊の頂点のセクション。時空管理局武装隊の将来的なビジョンを模索しそれに関して全ての責任をおう重要なセクションだった。
 そのため、彼女は見識と経験を深めるため航空教導隊から陸士教導隊へと出向になったのだ。
「なのは、なのはってば!」
 ヴィータが自分を呼ぶ声に、なのははユーノの写真を見つめたまま物思いにふけっていた事に気がついた。
「な、なに? ヴィータちゃん」
「そろそろ飯に行こうぜ」
 なのはは時計を見た。確かにヴィータのいうとおりそろそろ夕食時のようだ。今日の訓練はいつもよりハードだったこともあり、なのはも幾分空腹が身体を支配していた。
「そうだね、行こうか」
 なのはは制服の上着を取るとそれを羽織り、ボタンをきっちりとはめネクタイをしっかりと結んだ。上官たるもの部下の範であるべし。こういう所も気を遣うなのはは良い上官であるのだろう。
 ヴィータは彼女に比べると幾分かだらしなく見えるが、それでも彼女の元気の良さが伺えてなのはは微笑んだ。
 なのははヴィータと共に部屋をあとにする。
「ねえ、ヴィータちゃん。ヴィータちゃんは、将来のことについて何か考えてる?」
「あたしか? あたしははやてと一緒にいられたらそれでいい。今はなのはのおもりだけどな」
「おもりって、私そんなに子供じゃないよ」
「あたしらヴォルケンリッターにして見りゃ子供さ」
「そっか、そうだね」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪