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りりなの midnight Circus

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 シグナムは歩きながらその施設の各所を彼らに紹介しつつ、以前と変わらないところ、オミットされたところ、新たに作り替えられた所を順番に巡っていった。
 ここが機動六課だった頃、確かにその多くの施設は最新鋭の設備システムが提供されていたが、その細部では一世代前の旧式システムや、他部隊のお下がりのシステムなども多く見受けられた。特に医療施設がその最たる霊であり、その施設管理長であったシャマルもその事にいろいろ不満を言っていたほどだ。
 しかし、実働部隊として正式予算が下された現在のこの施設は、そこにあるもののあらゆるものが最新鋭、もしくは準新鋭のシステムに埋め尽くされ、そのどれを見ても訓練所で使用されていた二世代も三世代も古いシステム系統とは一線を画す。
 エルンストはその機能美たるや正に感嘆の念を抱く以外に他がなく、そこの職員の多くが自分と同じ新型プラットホームを搭載したキハイル式デバイスシステムを所持していることに好感を持ったほどだった。
 エルンストの持つ【ストライク・ビューワー】に搭載されているコアシステム、ベースライン4と呼ばれるキハイル式デバイスシステムは、従来型のデバイス、なのはやヴィータが所持しているデバイスシステムと違い、その中心には複数のコアが並列接続されたものだ。
 かつて、時空管理局の技術者で現在はアーマード・ウェポン・デバイス社のデバイス開発主任に抜擢された天才技士、キハイル・メースが開発したそのシステムは、従来のデバイスシステムと異なりその中央演算処理機能が大幅に向上しているため、既存のデバイスシステムに比べ、使用者(術者)に対する負担が大幅に軽減されている。
 それまでも、近代ベルカ式カートリッジシステムなどデバイスに関する新機軸が開発されてきていたが、それはどれも既存のデバイスシステムに対する付属機能の一環である側面が強かった。
 しかし、キハイルはそのデバイスシステムのコアに注目し、それまで彼が問題にしていた魔導師の個人差や才覚に左右される戦闘力を何とか解決したい一心で、より汎用的なシステムの開発に着手した。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪