二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

りりなの midnight Circus

INDEX|54ページ/187ページ|

次のページ前のページ
 

 それまで問題となっていたものは、魔術師の魔術行使の大部分は術者のリンカーコアの性能に依存していたことだった。つまり、術者のリンカーコアがより複雑かつ高速に大規模な魔術を運用出来るのならそれで問題はないのだが、それよりも劣る性能しか持ち合わせないリンカーコアではより高性能なリンカーコアを持つ魔術師に対しては何があっても勝利することは難しいという事であった。
 故に、時空管理局は有能な人材をつねに欠いている状態であり、それは大きな問題でもあった。
 キハイルはそれを解決させるため、従来ならリンカーコアに依存していた魔力制御運用のシステムの大部分をデバイスコアに依託する方法を思いついた。
 そうすれば従来の魔術師に対する魔術行使にかかる負担も大幅に軽減でき、かつ高性能なリンカーコアを持たない魔導師であってもその魔力量さえ何とか出来れば十分に上位の魔術師に対抗できるというものだった。
 その研究は長年の成果と、過酷な実証トライアルを勝ち抜き、近年になってようやく時空管理局の制式採用を勝ち取る結果となった。
『兵器、武器とは。あらゆる人間が使用しても全く同じ機能を持たなくてはならず、そうではない武器システムは信頼性や汎用性その他に大きな問題を残すこととなる。故に私は、自身の開発したこのキハイル式デバイスシステムがその問題を解決する唯一の方法であると確信する。』
 それは、キハイルが時空管理局の新兵器トライアルの冒頭で述べた演説だった。しかし、キハイルは自身のデバイスシステムにもまだ重要な課題が残されていることを知っていた。
 それは、先にも触れたように使用者本人の魔力、デバイスにとっての動力とも言える要素だった。しかし、彼は近々それも解決するだろうと予言している。
 エルンストを始め、それを知る人間の多くは彼は現在、魔力供給を外部化するバッテリーのようなものを開発しているのだと予測した。
 しかし、それは管理局の採用トライアルにまだ姿を見せていないことから、まだ開発途中の実験段階なのだろうと考えられる。
 ともかく、この数年でデバイスに纏わる多くのことが大規模な変化を見せているのは確かだった。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪