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りりなの midnight Circus

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「にゃ! ご、ごめんなさい」
 なのはの口から着いて出た幼い頃の口癖にエルンストは小首をかしげた。
「いえ、自分こそ失礼いたしました」
 なのはより随分背が高い、エルンストより幾分か長身で細めのその男性はなのはが士官である事に気がつき、直立り頭を下げた。
「ああ、レイリア・フォート二等空士か。ちょうど良いな紹介しておこう」
 その男、シグナムからレイリアと呼ばれた男は下げていた頭をあげ、その代わりに敬礼をなのはにむけた、
「レイリア・フォート二等空士です。本隊では武装B分隊の隊員を務めております」
「レイリア二等空士。こちらは高町なのは一等空尉と八神ヴィータ二等陸尉、そしてエルンスト・カーネル一等陸士だ。三人共戦技教導隊からの出向であるから何かと学ぶべき事も多いだろう」
 シグナムの紹介にレイリアと三人は敬礼と握手を交わした。
 レイリアはエルンストと握手を交わす際、何か探りを入れるように彼の目を覗き込んでいたがエルンストにはその理由が思い当たらなかった。
「そういえば、忘れるところでした」
 その紹介が終わったところで、レイリアは少し慌ててシグナムに言葉を向けた。
「朱鷺守隊長がシグナム隊長をお呼びでしたよ。何でも、訓練について話をしておきたいとか。あと、ついでにシグナム隊長の休日の予定も知っておきたいともおっしゃっておられました」
  シグナムは朱鷺守の名前が出たところで、あからさまに困惑した表情を浮かべた。
「朱鷺守一等空尉か。訓練について話があるというのであれば足を向けないわけにはいかないが。どうも私はあの者は苦手だ」
 シグナムは上官でありながら同じ隊長の任務にある彼を一定に評価していたが、その人となりにはどうも困惑するしか他がないということらしい。
 朱鷺守棋理一等空尉。第二武装分隊の隊長を務める彼の名はエルンストは聞いたことはなかったが、歴戦の騎士の様相を見せるシグナムがそこまで苦手とする手合いであればおそらく一筋縄では行かないのだろうと予測し、|警戒するべき人物リスト(ブラック・リスト)に彼の名前を記載することとした。ちなみに、そのリストの筆頭にはベルディナ・アーク・ブルーネスのなが記されていることは言うまでもないことである。
 何となく行きづらそうにしているシグナムだったが、レイリアの「お急ぎください、シグナム隊長」という言葉に後押しされ、
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪