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りりなの midnight Circus

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「分かった、では、後はレイリア二士に任せることとする。訓練場や隊員の待機所、デバイスの保管庫などを案内しておけ。終わったら司令室に出頭のこと」
「了解、直ちに行動を開始します」
 シグナムよりなのは達の案内を頼まれたレイリアはそう敬礼をして、隊長であるシグナムを見送った。
 レイリアは上官が角を曲がったことを確認し、少しだけリラックスするとすぐになのはたちに目をやり、さっきまで張り詰めていた表情を緩めた。
「シグナム隊長を前にするとやはり緊張しますね。改めてよろしくお願いします高町一尉、ヴィータ二尉、そしてカーネル一士。ようこそ特務機動中隊へ」
 レイリアは敬礼の代わりに彼ら一人ずつと握手を交わした。
 三人はそれぞれ、エルンストも無愛想に「よろしく」と答え彼の握手に答えた。
「さて、案内を申し付かったわけですが、どこまでご覧になられましたか? 訓練場やデバイス保管庫にはもういかれましたか?」
「それはもう一番に」
 なのはは、シグナムの案内で一番最初に立ち寄った訓練所の様子を思い出していた。訓練所は見た目こそなのは達が使っていたころと変わっていなかったが、そのシステムはかなりバージョンアップされた様子で、簡単に聞かされた概要からもかなり利便性が高くなっている様子だった。少なくとも陸士訓練所で使用していたものとは雲泥の差だろう。
 しかも印象的だったのは、興味深そうにそれを眺めるなのはに対してシグナムが、
「なんなら軽く模擬線でもしていくか」
 といって自身のデバイス【レヴァンティン】を取り出したことだった。
 なのはは魅力的な提案だと思いつつ、「シグナムも相変わらずだな」と肩をすくめるヴィータと、「やるなら早く終わらせてくれ」と言いたげに目を細めるエルンストの手前、丁重に断っていた。
 シグナムは実に残念そうな顔で、しぶしぶと【レヴァンティン】を片付けていたが、あの様子なら近いうちにまたお誘いがありそうだとなのはは予感した。
 ともあれ、施設のほとんどを見終わったといわれたレイリアは少し困った様子を見せた。急なことだったが、案内を仰せつかったからにはきっちりとそれを全うしたい、そう思っているのだろう。
 しばらく、レイリアは考え込み、それならばと提案をした。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪