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りりなの midnight Circus

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『その詳細はいまだ情報が入っていない。どういうわけか公安も警察武装隊もそれを寄越そうとはしない。おそらく、管轄権に関するプライドのようなものがあると推測できるが、愚かなことだ。ともあれ、彼らは強力な武器、軍用クラスのデバイスで武装し、さらには広域監視装置による全周警戒を実施中だ。公安の通信を傍受したところによると、連中はそこより半径2.7kmの範囲内の全ての情報を逐一取得している様子のようで、公安狙撃隊や警察狙撃手も近づけない状態とある。』
 2.7km。確かに、通常の警察狙撃手では荷が重いなとエルンストは感じた。ならば、現在はその範囲外から監視をしているだけか。
『現在、公安のネゴシエーターが交渉を続行中だが、平行線のようだ』
 テロリストなど即射殺してしまえばいい、そう考えるエルンストだが、舞台は街のど真ん中、特に人の目が多い住宅街と来ているところそれも難しいかと考え直す。ある意味敵も然る者だ。それを見越してそこに決めたというわけか。
 エルンストは【ストライク・ビューワー】の機能を呼び起こし、情報収集を開始した。
『よって、諸君等の任務は主に公安と警察武装隊のアシストということとなる。攻撃許可はまだ出されていない。詳しい作戦内容は先に現地入りした第三四陸士武装大隊の白河三等陸佐へと依託されることとなる。これ以降は彼の命令に従え。以上、質問は?』
 攻撃許可は無しか。ならば、俺たちの出る幕はないな。エルンストは投入されてもなお主立った行動のできないこの任務をじれったく思った。悠長なことばかりを言うと感じた。
 基本的に彼はそれまで、任務を与えられた時からそのターゲットの殺人許可が自動的に下される事が当たり前だったため、この作戦はストレスのたまるものになるだろうと予感した。
『ああ、言い忘れていた。エルンスト・カーネル一等陸士』
 突然自分の名前が呼ばれ、エルンストは返事を返した。
『君は本体とは別に、公安より協力要請が来ている。私が優秀な観測士(スポッター)がいると漏らしてしまったためだ。よって、君は三四小隊とは合流せずそのままヘリに残り別命を待て。以上、行動開始』
 通信機の向こうから聞こえるA分隊とB分隊の声に会わせ、D分隊の面々も「了解」と敬礼を返し、通信は終了した。
「公安も人手不足なんだね」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪