騒動の種は其処に有り
「この私がいいといってるんだ。なあ、文次郎」
「・・・・」
「ほら、文次郎も協力は惜しまないと言っている」
「いや、言ってねえ!」
「この私が1度作戦を考えたんだ。作戦を考えたからには、どうなるのか見たいと思うのはアタリマエだろう」
「・・でも」
「相手はお前というものがありながら、3つも年下の後輩とイチャついている奴だぞ?」
ヒクッと伊作の顔が引きつる。
「しかもお前の前で、イチャつくような思慮のない奴だ。」
今度はヒクヒクッと二回。
「そんなやつに少しくらい意趣返しをしてもばちはあたらんだろう?」
「だよねー」
にっこりと笑みをつくってみせる。
「おい伊作っ!?」
「協力ありがとう、文次郎。明日はよろしくね」
今日も潮江文次郎には拒否権はなかった。
作品名:騒動の種は其処に有り 作家名:律姫 -ritsuki-