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ティル・ナギ

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「それ、聞いてさ、なんか、ありかなって。」
「・・・意味分からないんだけど?」

不可解な顔をしているルックに、ナギはすっと手を伸ばしてギュッと抱きついた。

「ありがとーっルック。大好き。」

そして体を離し、ね?とルックを見た。
ルックはポカンと口を空けて唖然としている。

「こんな感じだね、うん、普通にある光景だよね?だって俺実際ルック大好きだし。ありがとうの気持ち伝えんのに抱きつくってのも自然に出来る事だし。あはっ。」
「・・・。ほんっとバカだよね、君は。」

照れて赤くなりぷいと横を向きながらルックが言った。

それからふと気付いて聞いてみた。

「僕の事はいーんだよ。なんでティルの話聞いたときには、今みたいに思えなかったのさ。」
「うーん、なんでかな?俺も分かんないよ。なんしか居た堪れないような気持ちになって、気付いたら泣けてきたし。」
「分からない、か。まったく。バカは困るよ。とりあえずティルが嫌いでって事じゃないんだろ?」
「勿論だよ、嫌いな訳ないじゃん。」

ナギは思いもよらない事を、という風に否定した。

ルックは何か言おうとしたが止めて、踵を返した。

「まあいいよ。僕は戻るよ。君も部屋へ帰るといい。」
「ティルはどうしたんだろ・・・。まさか怒って帰っちゃったかなー?」
「いや、僕の部屋にいるだろう。君の事気にしていたから、ちょっと情緒不安定だっただけって言っておくよ。」
「そっか・・・、うん、ごめん、ありがとうルック。おやすみなさい。」
「・・・おやすみ。」

そう言ってルックは消えた。
ナギはため息をついた後、自分の部屋へと帰っていった。

「お帰りールック。ナギ、大丈夫だった?」

ルックが現れると、心配そうなティルが聞いてきた。

「まあね、もう落ち着いてるよ。今頃部屋に戻ってる頃じゃない?」
「なんで泣いてたか分かった?僕なんかヤな思いさせたんだろうか・・・、嫌われちゃったのかな。軽い悪戯な気持ちで言ってみただけだったんだけど・・・。」
「・・・まったく、疲れるよ、ホント。ナギの為ならまだしも・・・」
「そう言うなってー、僕とルックんの仲じゃない。」
「だからどんな仲だよっ。はあ・・・。?あの子は別にあんたの事嫌って泣いた訳じゃないよ。」
「ホント?良かった。でも、じゃあ何でだろ・・・。」
「さあね。少なくとも本人は分かってないみたいだけど?まあ明日からはまたいつも通りのナギだよ。」
「わーん、訳分かんないまま?でも、まあ、嫌われたとかじゃないし、ナギも元気になるならいいや。」
「ふん、バカばかりで困るよ。」
「?なんでそんな台詞になる訳?まあ良いよ。許してあげるかわりに今日はここに泊めろ。」
「なんで意味もなく許してもらった上に泊めてあげなくちゃなんないのさ?だいたいベッドは1人用だから。」
「えー?良いじゃん。僕は気にしない。ルックんとなら一緒のベッドでも。・・・痛くしないでね?」
「っ帰れーっ。」

結局ティルは泊まっていった。

狭いベッドで青筋を立てながら寝付けずブツブツ言う魔法使いの横で、すでに天使の寝顔で夢の中の英雄がいた。
作品名:ティル・ナギ 作家名:かなみ