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ティル・ナギ

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出会い



「おっはよーっルック。石板んとこいなかったから部屋だと思・・・」

バァンと部屋のドアが開き、ナギが勢いよく入ってきた。
その音で目が覚めたルックはガバッと起き上がったが、まだボーっとしていた。

「・・・昨日寝るの・・・遅かったから・・・寝過ごした・・・か?・・・ん?てゆーか人の部屋にいきなり勝手に入ってくんな。」

ナギを見るとポカーンとした顔をしている。

「え、あれ?俺、もしかして・・・お邪魔しちゃった・・・?」
「・・・は?」
「だって・・・」

そう言ってナギはルックの横を困ったように指した。

ルックはその指先を目で追った。

「・・・ああ、そういえば、泊まってったんだっけ?」

自分の隣で気持ち良さそうにスヤスヤ眠るティルに気付いた。

「えーと、じゃ、俺行くね・・・」
「ちょ、待ちなよ。何かとてつもなく嫌な勘違いされてるように思えるんだけど?とりあえず入ってドア閉めてくれない。」

出て行こうとしたナギを慌ててルックは引き止めた。
ナギは困ったような顔をして、言われた通りドアを閉めて椅子に座った。

「ちょっと起きなよ。いつまで寝てる気?」

自分もまだベッドに入って座ったまま、ルックはティルの肩を揺すった。

「んー、もーちょっと・・・」

更にうつ伏せになって眠ろうとしているティルを無理やり仰向けにした。

「ほら、起きなって。」
「むー、・・・あれ?ここ、どこだっけ・・・?っあ、そーか。やあルックおはよー。お目覚めのキスでもしようか?」
「・・・あんたって救いがたいよ・・・」

左手を顔にあて、呆れたようにルックは右手でテーブルの方を指した。

「?」

指された方を見ると赤い顔をしてポカンと口を開けているナギがいた。

「あれ?ナギがいるー。」
「あんたのせいでますます勘違いが酷くなったからね。」
「へ?」
「狭いベッドで一緒に寝てて、おはようのキス?ふざけんな。」

ルックがはき捨てるように言った。
ようやくティルも状況に気付いた。

「えー。ナギ、違うから。僕とルックはただのお友達。昨日は遅くなっちゃったから泊めてもらったんだよ。さっきのキス云々も、普通に冗談だから。いや、本気でありえないから。」
「は、はは・・・。そ、そう。いや、そうだよねー。わーマジびっくりした。俺、ホントびっくりした。」

まだ少し引きつり気味でナギが言った。
ルックはブツブツ言いながらベッドから出て洗面所へ行った。ティルはまだベッドに座ったままだった。

「でも、なんでそんな風に思ったの?別に普通に眠ってたよね?僕。」
「え?だって狭いベッドに一緒に寝てたし、普段からティルとルックって仲良しだし・・・」
「仲良し・・・。ってゆーかナギ。一緒に寝るってゆーのでヤラしー事想像しちゃったの!?」

それを聞いてナギは赤くなった。

「え、てゆーかヤラしーコトってどんなコトか知ってるの!?マジで!?」
「なっ、バカにすんなっ。俺だってそれ位普通に知ってるよ!!どんなバカだと思ってんだよ!?」
「だってー。普段のナギ見てたら、なんか知ってるって事のほうがびっくりなんだけど。」

ティルは本気で驚いている様子だった。そこに顔を洗ったルックが戻ってきた。

「なんかティルが俺をバカにするんだけど。」
「えー?バカになんかしてないよー?本当にびっくりしただけで。」
「・・・朝っぱらから何くだらない事言ってんのさ。」
「「ひどいよルック」」
「まあ、だいたいナギはいつも何で分かんない訳ってくらいそっち方面鈍いからね、ティルがびっくりするのも無理はないかもね。」
「でしょ?」
「何だよそれー。ひどくね?何が鈍いんだよ。何の話だよ。」
「「・・・・・。」」

ティルとルックは顔を見合わせたまま苦笑した。
ナギはムーっと頬を膨らませた。

「ほんと分かんないのが不思議だよ。君、それこそ至るところで狙われたり襲われかかってて、それだからね。」
「は!?」
「ルックの言う、狙う・襲うはそれこそヤラしいコトがらみなんだよね。殴るとかの事じゃないよ?」

ティルもルックもいい機会だとばかりに言った。

「へ?ちょ、ちょっと待ってよ、ナニ、ソレ。」
「あ、勿論ナギが男だと承知の上だよ?てゆーかいい加減自覚してね?」

ナギは口をパクパクさせている。ルックはため息をついた。
作品名:ティル・ナギ 作家名:かなみ