ティル・ナギ
「まあ、無理だろうけどね、天然だから。」
「あー、天然じゃあねー。」
「な、何言ってんの2人とも?ちょ、ホント冗談抜きで!?オ、俺が!?何で!?訳分かんないよ。女の子とか、もし男がいーんだとしてもティルやルックとかなら分かるけど、なんで俺!?」
「・・・ホント困った子だよね?」
「手に負えない。」
「う・・・。何なんだよ、マジ分かんねぇって・・・。だいたい、俺、困るよ・・・そんな・・・」
「まあ、男に好かれてもね。」
チラッとティルを見ながらルックは言った。ティルはそ知らぬ顔をしている。
「え?あー、うん、まあ男とか女とかは別に関係ないケド・・・」
「じゃあ、何?」
ルックが聞いた。
「べ、別にどうでもいーだろ、何でこんな話になったんだ!?」
「そりゃ、まあ、どうでもいいけど?それよりも何の用だい?朝っぱらから。」
「え?ああ、昨日シュウが2、3日休んでいいって言ってたし、ルック誘って、まあ意味なくなったけどティルんとこ行こうかなって思ってたんだー。あ、言うの遅れたけど、ゴメン、ティル。俺、昨日迷惑掛けたよね。」
不意にナギに頭を下げられ、ティルは戸惑った。
「あ、ううん、ホント、迷惑とか、全然ないから。もーホント気にしないで?怪我とか大した事なくて良かったよ。」
それを聞いてナギはニッコリ笑った。
「ありがとーティル。良かったー。嫌われたかってちょっと思ったりしたからさあ。」
「・・・。僕に嫌われたら困る?」
「え?そりゃヤだよ。」
「悲しい?」
「勿論だよ、って何でそんなコト聞くんだ?」
目を逸らしてナギはティルに聞いた。
「えー?そりゃ気になるから?」
「なっ何だよそれ。なんか疑問系だし。とっとりあえずさ、せっかく休みだし、3人でどっか行かない?」
「・・・なんで僕が君に付き合わなきゃいけないのさ。」
「えーいーじゃん。行こうよー。」
じゃあ、準備しないと、とティルがベッドから出て顔を洗いに行った。
それを尻目にナギがボソッと言った。
「付き合ってくんないなら言いふらしてやるー。ルックとティルが出来てるって。」
「なっ」
ニッコリしてナギが言った。
「噂ってさ、嘘本当関係なく、すっごい勢いで流れていくよねー?」
「ナギ、君、ティルに似てきてない?最悪だよ、あんなのマネすんな。まったく・・・。・・・行くよ、行けばいいんだろ・・・。」
ルックは青くなって額を押さえつつ言った。
「あはっ。そうこなくっちゃ。」
最高の笑顔でナギが言った。
「何がそうこなくっちゃなのー?」
スッキリしたティルが戻ってきた。
「ううん。ルックも行くってー。」
「ふーん、そうなんだ。」
ルックには明らかに来なくていいのに的なオーラが見えた。
「じゃあ、どこ行こっかなー。ラタドらへん?そうか町じゃなくてどっかの草原とかでピクニックもいいよねー。ティル、どこ行きたい?」
「僕はどこでも。ナギが行きたいとこでいーよ。」
「そう?ルックは?っあ、そうだ、どっかいいとこに送ってよ、ねー?」
「なんで僕が。それでなくても無理やり付き合わされてんのにさ。疲れるコト、したくないね。」
ぷいとルックは横を向いた。
「ちぇっ、じゃあビッキーのとこ行くかー。あ、2人とも用意出来た?ちょっと先レストラン寄らせてくんない?じゃ、行こうかー。」
レストランに寄り、必要なものを準備した後、3人はビッキーのところへ向かった。