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きくちしげか
きくちしげか
novelistID. 8592
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鬼の腕

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昨日から降り始めた雨はみぞれから雪になり、今日の夜まで降り続いている。
沖田に連れて行かれた居酒屋から新八を助け出し、道場で寝かせてから丸一日は経っていた。気絶していた新八を万事屋に連れて行こうかとも思ったが、とりあえずこちらの方が落ち着くと思って連れてきたのだ。
しかし。
「しんちゃん!しんちゃん!」
お妙が涙を浮かべながら新八にすがりついた所を見て、銀時は後悔していた。今回の事でほとんどが判断ミスだと思っていた。
「すまねえ」
お妙の攻めをすべて受けるつもりだったが、お妙は力なくうなずいただけだった。
「ごめんなさいね。しんちゃん」
新八を蒲団に寝かせると、お妙は傍らに座ってずっと新八の頭をなでていた。
「ありがとう、銀さん」
お妙の声はかろうじて聞き取れる程度だった。
「おれが助けた訳じゃねえ。新八はよお、強い子だな」
お妙が力なく笑う。
「ごめんなさい、しんちゃん」
お妙はただ謝るだけだった。銀時は何も言えなかった。
(いつもそうだ。泣いている女になす術はない)
「あねごぉ」
側にいた神楽がお妙えにすがりついた。
「あねごが悪いんじゃないよお」
神楽がグズグズと鼻をならしていた。
「悪いのはあいつらだよお」
お妙はなかなか目を覚まさない新八を懸命に看病していたが、憔悴しきって夜には自室で横になっていた。
あんどんの光だけだったが、外の雪のせいで室内はいつもの夜より明るかった。
作品名:鬼の腕 作家名:きくちしげか