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六帝の日なのでろちみか詰め合わせ

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カレー食べてね六帝


ハニーが料理作ってくれるって言うから、うきうきしながらハニーの家にやってきた。
だけど、出されたこれは……、うん、何だろう。

「えっと……、僕、カレーくらいしか作れなくて……。」
「わあ、おいしそうなカレーだね!」

どうしよう、これは本当にどうしよう。
お盆を抱えたまま恥ずかしそうにしているハニーはとっても可愛いんだけど、目の前の料理はちょっと怖い。
だって、どうしてカレーだっていうのにシチュー並みに白くなっちゃってるんだい?
スプーンで掬ってみれば何か白いものがそのまま混ざってるんだけど?

「あ、すみません溶け残ってましたね、ヨー……、あっ、千景さん!これ隠し味に何入ってるか分かります?」
「ヨーグルト……?」
「うわぁ、食べる前に正解しちゃうんですね!すごいです!」

うん、いや、だってなんか溶け残っちゃってるしね?
やっぱりカレーの色は変わらずにめちゃめちゃ白いし?
しかも異変に気付いた理由の一つだけど、カレーなのになんかすっぱい匂いがするし?
隠し味って……、隠れてないよ……?

「あ、でも僕まだ味見してなくて……、ちょっと一口いいですか?」
「え!?あぁ、うん!はい、あーん。」
「……えっ、うぅ。」

恥ずかしがりながらも、ハニーは口を開けて俺のスプーンからカレーを一口食べる。
あーんってしてあげたかったのはもちろんあるけど、このカレーは本当にカレーなのか分かるかなぁ、なんて。
でも、ハニーはもぐもぐとそれを咀嚼した後、嬉しそうに顔を輝かせて笑った。

「わぁっ、やっぱり隠し味入れると味変わりますね!なんかちょっとすっぱくて本場のカレーみたいです!」

なんて、喜んでしまっている。

「ココナッツジュースを入れればもっとアジアンっぽくなりましたかねー……。」

いやいやいや、これ以上カレーの風味を失くすような真似はしない方がいいと思うよ?
ちょっと考え込んじゃってるけど、まさか今からココナッツジュース探してくるとかじゃないよね?

「あれ、千景さん食べてないですけど……どうしました?」
「えっ、ああ、いや食べるよ?」

意を決してぱくりと食べてみれば、口の中に広がるのはカレーの辛さとヨーグルトの酸っぱさ。
それらが溶け合ってハーモニーを奏でるならばともかく、どちらもが自己主張が激しくぶつかり合っている感じだ。
しかもカレーは焦げていたらしくて少し苦みも入ってくる。
それを無理やりに喉の奥に流し込んでハニーを見れば、不安そうだが、それでも期待した眼差しを向けてくる。
にこり、と俺は笑う。上手く笑顔を作れたかはとても自信がない。
額にある汗に気付かれないといいのだが。

「おいしいよ……?ハニー。」
「……本当ですか!?わぁ、嬉しい……!おかわりもあるのでどんどん食べてくださいね!」

嬉しそうに笑うその顔は本当に可愛い。
思わずこちらも自然に笑い返してしまうくらいに。

結局、俺はほとんど噛まずに流し込む勢いでカレーを完食した。
おかわりばかりは、もう腹がふくれたから、と断ったが。
辛いもの食べたからですかね、と、ハニーが額の汗をぬぐってくれたのは本当に嬉しかった。
例え、その汗が違う意味で出たものであっても。


後日、そんな出来事を門田たちに話してみたら、お前は男だ、と超称賛された。
ちょっと泣きたくなった、ちくしょう。