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六帝の日なのでろちみか詰め合わせ

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ケーキ食べてね六帝
※帝人くんが女の子になってます、名前は帝ちゃん、一人称は僕です

「千景さん……、あの、ケーキ食べてくれますか?」
「えっ、帝ちゃんが作ったの?食べる食べる!」

そう言って差し出されたのは見た目は特に変哲のないチョコレートケーキ。
隣にはホイップクリームが付いている。

「その、僕、炊飯器しか持ってないけど、炊飯器でもケーキ作れるってネットにあって。」
「へー、すごいねえ!」
「しかもこのレシピ、ホットケーキミックスでできるから簡単だから、僕でも作れるかなあ、って。
味は……、やっぱりホットケーキミックスだからあまりおいしいって言えないんですけど……。」

もじもじと、恥ずかしそうにそう言うハニーはとても可愛い。
こんな反応をされて食べない男がいるだろうか?いや、いない。

「じゃあ、早速いただきまーす。」
「あっ、はい……。」

フォークで一欠片、ぱくりと口に含めば、なるほど普通のケーキとは少し違う食感だ。
しかし、ビターに作られたそれはとても俺の口に合う。
全くのお世辞も含まずに笑顔を向ける。

「すっげーうまいよ?」
「ほ、本当ですか……!?」
「うん、マジで。ちょっとビターなのも俺好みだし。」
「良かったぁ……、味見はしたけど不安だったんです……。」

ハニーは、ほっとしたように肩の力を抜く。
にこにこと笑いかけられて、こちらも笑い返す。
あぁ、俺はなんて幸せなんだろう!
これを食べ終わったら、おいしかったと笑ってキスをしよう。
そうして、ハニーも食べたいな、なんて言って押し倒してしまおうか。
そんなことを考えていたら、ハニーが口を開いた。

「あ、千景さん。そっちのクリームも一緒にどうぞ。」
「あぁ、ビターだもんね、確かに生クリームも一緒だと……。」
「千景さん?」
「ん?あぁ、なんでもないよ……?」
「そうですか?」

言えるわけがない。
なんだかこの生クリームすっぱくないか、なんて。
しかも生クリームのすっぱさとチョコケーキのほろ苦さが混ざり合って複雑なハーモニーを奏でているなんて。
なんていうか、プロのオーケストラに、破滅的に下手な素人を大量投入したくらいの複雑さ。
とんでもない不協和音。

「あ、そういえば、生クリームって泡だてるの大変で。なんか、酢を入れれば出来上がりが早いって聞いてやってみたんですよね。
レモン汁でもいって書いてあったんですけど、レモン汁はうちになくて……。おいしくないですか……?」
「そんなことないよ。酸味と苦みがいい感じ。」

そう言って笑いかけてみれば、こちらも笑い返してくれる。
あぁ、本当に可愛い。この笑顔のためだったらこの不協和音だって。
例え、ちょっと酢を入れすぎたんじゃないかっていう生クリームだったって。
ちょっと生クリームにしては、泡だて方がゆるいのだってきっと頑張って混ぜたのだろうって思えるから。
頑張れ俺。不協和音に勝って、おいしかったってキスをするんだ。

その願いと、隣に座っているハニーの嬉しそうな顔を頼りに完食した。
少しだけ天国が見えたのは気のせいだろう。


嬉しそうに皿を片づけている後ろ姿に近づいて名前を呼べば振りかえる。
その頬に口づけを落とせば、真っ赤になりながらうつむかれる。

「ちゃんとハニーの唇にちゅーしたいなー。こっち向いて?」

なんて、そう言えば真っ赤な顔を上げてこちらを見てくれる。
そっと目をつぶったハニーを抱きしめて唇を重ね合わせれば、そっと背中に手を回してくれる。

あぁ、天国はここにあったんだ!!



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女の子なので、そこまで壊滅的じゃない感じで。