悪酔い
なんか、柔らかいん、だが・・・
ちょっと、まて・・・おい、これって・・・口、じゃ・・・・・
しかし気付くのが遅かった。
自分の口に当たっているものがイギリスのそれだと気付くと同時に、
もう既に俺の口の中にはぬるりとしたものが入り込んでいた。
「んぅ・・・!やめっ・・・っぉい、ふぁ・・・ってめえこの野郎!」
あああああ、あっぶねえ・・・!
このままこいつに流されるとこだった・・・!
理性残っててよかったぜ・・・!!!
俺は肩で息をしながら、イギリスを殴った自分の手を見る。
殴ってなかったら、やばかった。本当に。
つーか、男同士で、とか・・・
別にそれ自体に抵抗はねえ、けど、まさか自分にそれがくるとは思いもしなかった。
「まさかそんな反応するとは思わなかったぜ・・・」
そして俺が殴ったイギリスは、殆んど素面の時と変わらない喋り方で話す。
お、おい・・・まさか・・・酔ってなかった、とか・・・?
「・・・まさか酔ってない、ってのか?」
「そのまさかだ」
イギリスは口元をあげ、にやりと笑いながら俺にそう言ったのだった。
冗談じゃねえよ・・・!
そしてイギリスは俺に近づいてくる。
それに思わず俺はあとずさる。
しかし足元がおぼつかない。
くっそ、本当に最悪だ。この酔いも、イギリスの性質も。