リオ・ナユ
「・・・ああ・・・。」
それだけでなんとなくルックは分かったような気がした。フッチとサスケは知らないので首を傾げている。
ああ、この2人には何て言えば手っ取り早いんだ?
ナユは困った顔をした。それを見たフッチが言った。
「えっと、大丈夫ですよ?僕ら、誰にも言いませんから。なあ、サスケ。」
「お?おお。男の秘密だな。」
「じゃ、そろそろ上がろうかな。先に失礼しますね?」
2人は上がっていった。
なんだか、大人の世界を見ちゃったねーとか何とか言っていた。
多分あの2人は言わないというなら他言しないだろう。
でも勘違いしたまま・・・。ナユはため息をついて湯から出た。
「・・・で?えーと、もしかして最後まで・・・?」
「ち、違いますよ!!そんな訳ないでしょう!?全然です!!」
赤くなり慌ててナユは否定した。
ルックは、まあ別にどうでもいいけど・・・と言いながら自分も湯から出た。
「コレ、いつ消えるんでしょう・・・。」
「知らないよ。」
それまでお風呂どうしよう・・・。
ナユはまたため息をついた。
出来れば、じゃなく絶対風呂作ってもらおう。
軍主命令で、今すぐ。
ナユはぐっと手を握り締め、心に誓った。
例の事件の後、カイリは気持ち申し訳なさそうにナユに謝りに来た。
「・・・もういいですけど、ホント、ハーブは作らないで下さいね?」
「仕方ないね?残念だけどそうするよ。」
横ではルックとテッドが怪しそうな顔でカイリを見ていた。そして、リオはいない。
「・・・あの人はどうしたんですか?」
「さあ、どこにもいねーんだよ。どっかまたフラッと出かけたんじゃね?」
「そう、ですか・・・。」
これまでもたまにフラッと出かけてはまた戻っているという事はあったし、まあいつもの事だろうとテッドとルックが話をしていた。
少し黙り込んでいたナユが視線に気付いてカイリを見ると、黙ってじっとナユを見ていたカイリはそれに気付き、ニコッと微笑んだ。
ナユはただ、下を向いただけだった。