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リオ・ナユ

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「気持ち悪い・・・。早く戻ってお風呂に入りたい・・・。」

心底嫌そうにナユが言った。
村の中では鏡が使えない為、皆で船着場へ向かう。
その途中でふと足をとめ、ナユはルックの方を向き言った。

「そうだ。鏡はナナミに預けるんで、僕とこの殺戮魔だけ先に城の風呂、脱衣所へ送って下さい。」
「なんで僕がそんなコト。」
「ルックは道中何もしなかったでしょう?罰です。僕は今すぐにでも血を洗い流したいんです。そこの殺戮魔は平気そうですが、そんな格好で勝手に城に来られてウロウロされるのは困ります。それに鏡だとホールだからお風呂まで距離があるじゃないですか。鬱陶しいんですよ。分かったらさっさと送って下さい。」

鏡をナナミに渡してナユは言った。
リオはニヤッと笑って殺戮魔という暴言も聞き流している。
ルックはしぶしぶといった感じで手を上げた。

「まったく。」

次の瞬間には2人は脱衣所にいた。

さっさと黙って服を脱ぎだすナユ。
途中でふと何かに気付き、急に現れた血まみれの2人を唖然と見ていた者に何かを頼んでいた。
それからふとリオを見た。

「何してるんです?とっととその血まみれの服、脱いで下さい。そこの桶に入れといてくれたらいいですから。」

そして自分も脱いだ服を水が張ってある桶に入れる。
全部脱いだナユは先に風呂場へ入っていった。リオもそれに続いた。


風呂から出たら清潔な服が2人分用意されていた。どうやら先程ナユが頼んでいたのはこれらしい。それらを着て、表に出た。
ずっと黙っていたナユは歩きながらリオに向かって言った。

「・・・とりあえず、仕方ないので部屋、用意させます。確かにあなたは戦力になるでしょう。でも、くれぐれもむやみやたらに城の人達を倒さないで下さいね?訓練ならまだしも、意味のない暴力は困ります。あくまでも僕達に協力してくれるという事なら・・・」
「善処するよ?」

同じように黙ってはいたがナユとは違って機嫌の良さそうなリオが言った。
ナユはうさんくさそうに見たが、ため息をついて言った。

「・・・それじゃあ一緒に戦って下さい。」
「いいよ?」
リオはニッコリとして言った。
作品名:リオ・ナユ 作家名:かなみ