リオ・ナユ
ルックは内心テッドがいてくれて良かったと思った。
ありえないボケ(言った本人はボケているつもりがないのがまた始末に悪い)にいちいち突っ込むのは疲れるものだ。彼のおかげで自分の負担が減る。
傍から見れば十分おかしいルックは非常識人がまた1人増えたことにため息をついた。
城では報告を受けたシュウもため息をついていた。
なにかののろいか・・・?
最初にリオ、次にテッド(これはまだマシだが)、そしてカイリだと?
どれだけありえない人物が増えていくんだ?
確かに戦力にはなるが、下手すれば今まで関係のなかった国とまで争いになりかねん。それほど貴重で危険な爆弾だ。絶対に表立っての戦場には参加させられまい。
「・・・あなたという人は・・・。」
「何も言わないで下さい。だれを仲間にしようと軍主である僕の勝手でしょう?もとはと言えばこんな子供の僕を軍主にまつりあげたあなたの責任でもありますよ?ってゆーか僕だって最初からトランの英雄とか仲間にしようと思っていた訳ではないんです。気がつけばこうなっていたんで・・・。まあ殺戮魔は別として、悪い人らではないですよ?」
「ふぅ・・・。分かりました。部屋は用意させましょう。それよりも、ホールの修復をほっぽりだして、何をしてたんです?」
「ぐ・・・。だいたい僕らがそんな大工的な仕事出来るわけないでしょう?軍主になにさせてんだ。」
「軍師に後始末ばかりさせる軍主がえらそうな事、言えませんね?では修復に関しては専門家にまかせるとして、あなたはあなたの専門の仕事をしていただきましょうか。書類が溜まってます。とっととやっていただきましょうか?」
しまったという顔をして逃げようとするナユ。だが扉は開かない。
「残念でしたね・・・。扉にはすでに特殊な鍵をかけさせていただきました。」
「い、いつの間に?てゆーか自分の部屋になに変な鍵つけてるんですか!?」
「フフ・・・そのおかげで、今こうしてあなたは逃げられない訳です。さあ観念していただきましょうか?」
「くっ」
ナユ軟禁。夜遅くにようやく開放されたらしい。