Memories of CGf
#12 「黒衣の男」
黒衣の男「ここから先は通さんッ!!」
男はそう叫ぶなり大量のゴブリンを引き連れて襲ってきた。
アベル「お前は誰だ?! 何の目的で僕等を襲う?!」
男は答えない。
ただ黙ってこちらを睨みつけてくるだけだ。
その目は怒りや憎しみとは別の、強い意志を感じる。
男が詠唱を始めるのと同時にゴブリンが襲ってくる。
イハ「呪術?! いやらしい術を……!」
ガッデスとヒスイがゴブリンたちを迎え撃ち、
メイファが男の詠唱を牽制する。
アベル「こいつらただのゴブリンじゃないな」
ゴブリン達はかなり津制されていた。
かなり訓練され低Rのだろう。
攻撃する時は連携し、誰かが傷つけば回復をしてくる。
動きに無駄がない。ただのゴブリンより知能も高いのだろう。
おかげでなかなか切り崩せない。
ゴブリンたちの影で黒衣の男は次々と呪いを飛ばしてくる。
毒の呪いだ。
呪いは強く抵抗すればそうそうかからない。
だが、その一瞬は集中が途切れる。
いやらしいことこの上ないが
乱戦の中での一瞬のスキは命取りになる。
メイファ「ちょっと! 早く何とかしなさいよ!」
言いつつ放った矢がゴブリンの1匹を射抜く。
そこにガルムが飛び込み、そいつののどを神ちぎった。
イハ「いわれなくてもわかってるわよっ!
ガッデス、こっちのことはいいから、アンタも弱ってる奴を狙いなさい!」
アベル「ヒスイ、お前もだ。ガッデスと同じ奴を狙え!」
集中が途切れた瞬間を見計らって呪いが飛んでくる。
意識を持っていかれそうになるが、辛うじて抗う。
アベル「お返しだ!」
疾風が男の体を切り刻み、
それに覆い被さるように爆炎と矢の雨が敵を襲った。
「正しき道は、われらの前に……」
男はそう言い残して倒れた。
メイファ「やったの・・・?」
アベル「そう、みたいだな」
イハ「一体なんだったのかしら……」
地下道はさらに奥に続いている。
アベル「とにかく先に進もう」
(正しき道……一体何のことだ)
その言葉の意味は、その時の僕には知る由もなかった。
作品名:Memories of CGf 作家名:イハティーサ