Memories of CGf
#13 「生き蔵クラー」
メイファ「んもう!! しつこい男は嫌われるわよっ、と」
メイファの放った矢で男は倒れる。
何度目かの戦闘だった。
行く先行く先、黒衣の男達は現れた。
その誰もが呪術の使い手だった。
男たちは何も言わずに襲ってくる。
どこまでも、どこまでも。
(一体こいつらはどれだけいるのだろう)
いくら倒しても果てがないような気がする。
とにかく不気味な男たちだった。
ひとつわかることは、
こいつらが何らかの組織に属しているのだろうということ。
何か大きな組織がこの財宝の伝説に関わっている。
ウェルは知っているのだろうか?
あの純朴な顔からは決して想像できなかった。
* * *
それからさらに男たちの襲撃は続いた。
何度か目の戦闘のあと、
追いすがる男たちを何とか振り切ったところで広い空間に出た。
多分ここが最奥部なのだろう。
空間の奥に、ボウッとした光に照らされて
一体のゴーレムがいるのが見えた。
岩石でできたロックゴーレムだ。
そいつは何をするわけでもなく
ただうろうろとその場をうろつきまわっている。
アベル「なんだあいつ」
するとゴーレムは振り向いて言った。
クラー「クラーは生き蔵クラーだクラー。あいつじゃないクラー」
イハ「このゴーレム、喋れるの?!」
イハが色めき立つ。ゴーレムを見ると目の色が変わるのだ。
アベル「まったく、このゴーレムマニアは……」
殴られた。
アベル「グーで殴ることないだろ、グーで!」
イハ「余計なことを言うからよ」
クラー「そろそろ喋っていいクラー?」
えろうすんまへん。
クラー「それじゃあ、鍵を渡すクラー。宝はクラーが持ってるクラー」
アベル「鍵ってこれのことか?」
アンドリューからもらった鍵を見せると
クラーはそれをゴツゴツした指でヒョイと器用に取り上げ
食べた。
コリコリコリ……ポリポリポリ……
クラー「うまかったクラー。やっぱり新鮮なものに限るクラー。
ごちそうさまクラー
よし、気力がみなぎってきたクラー。
さあ勝負だクラー。勝ったら宝クラー!」
作品名:Memories of CGf 作家名:イハティーサ