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イハティーサ
イハティーサ
novelistID. 8424
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Memories of CGf

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#8 「五勇者埋蔵金伝説」




「やあ、きたね」

ここはファンブルグ西地区。リセリアの高級住宅街だ。

その一角に立てられた建替え中の古いアパートのわき
無造作に植えられな草花に覆われた隠し穴の中。
それが依頼人の指定した場所だった。


*   *   *

-事の起こりは3日前にさかのぼる。
薬を売った帰り、

「その身のこなし! さてはキミは冒険者だね!」

男に声をかけられた。

「君を見込んで是非お願いしたい事があるんだ!」

その男は息せき切って走りよってくる。

「おっと、自己紹介がまだだったね。ボクの名前ははウェル・ストリング。
 歴史について研究をしている。研究といっても古文書を探して調べたりするのが
 僕の仕事なんだけどね」

研究者と名乗ったその男は、行商人のような格好をしていて
あまり学者のようには見えなかった。やせた男で、大きな背嚢を背負っている。
身体よりも大きいそれは、彼にはちょっと重たいらしく時々ふらついていた。


アベル「その研究者さんがいったい何の用だい?」


ウェル「ああ。話を聞いてくれるんだね! ありがとう!
    実は、西地区にずいぶん前から建っている
    古びたアパートメントがあるんだけど、
    これが建て替えられることになってね。
    そうしたら地下に謎の通路が発見されたんだ。

    僕はその話を聞いてピンときた。きっとそこに何かあるとね


    そう、たとえば財宝だ」

アベル「財宝・・・?」

たぶんこの男は、きっとなんでもピンとくるんじゃなかろうか、
と思ったけど黙っておいた。

ウェル「もちろんこれは何のあてもなくいってるわけじゃない。
    西地区には旧家も多くて、歴史的にもとても貴重な資料が多くある。
    時には住んでいる人も知らないものが出てくることがるんだ。
    あの建物もかつての貴族の邸宅をアパートに改装したものらしい。
    とすれば、あの建物の地下にも歴史的に重要なものがあるはずだ。
    財宝とか過去の資料とか」

アベル「どこか飛躍してる気がするんですが」

ウェル「そんなことはないさ。

    実はボクも一度穴に下りてみたんだ。
    自然の地下道のようだったけど、ところどころ人の手が入っていた。
    最近まで人の出入りがあったような痕跡もあった
    奥まではいけなかったからわからないけど、
    どうもただの地下道ってわけではないらしい。僕の勘がそういってる。

    な、あやしいだろ?」

アベル「さっき、根拠があるっていってませんでしたか」

ウェル「今、その通路の入り口は花畑で隠されてる。隠しておいたんだ。
    なにしろ、これはすごい発見に違いないからね
    でも、ボクは体が弱いし、こういう仕事は向いていないんだ」

きいてないし。

ウェル「おっと、いつまでも話してるわけにはいかない。
    誰に聞かれるかわからないからね。
    とにかく詳しい話はそこでするよ!
    いいかい、西地区のアパートだよ!
    3日後の今くらいの時間にまってるから必ず来てくれ。きっとだよ!」

男はどこかへいってしまった。あわただしい男だ。



あとに残された僕は、きっと間抜けな顔をしていたに違いない。


*  *  *


アベル「-というわけ。どう思う、この話?」

メイファ「どうもこうも、それだけじゃ全然わからないじゃない。
     だいたい、いきなりそんなこと言われて信じる方がどうかしてるってモンでしょ」

前に座ったメイファがあきれたようにいう。

アベル「それはそうだけど、そういわれるとむかつく」

メイファ「だってそうじゃない。見ず知らずの人間に、財宝だの何だのってないでしょうに!」


女の声 「あら、面白そうな話じゃない」


女の声が割ってはいる。
声の先には一人の若い女が立っていた。
黒い帽子、黒いローブ。髪は燃えるような赤。

明らかに魔術師とわかる。


彼女の名前は、イハティーサといった。



作品名:Memories of CGf 作家名:イハティーサ